2012年 2月の記事一覧

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12年02月29日 08時57分52秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は婚姻費用の分担について説明しました。

今回はその続きです。

婚姻費用については夫婦が一切の事情を考慮して負担する義務を負っていることは前回に説明しました。ある意味当たり前です。では婚姻が事実上破たんしていた場合、さらに別居にまで及んでいても分担義務は存在するのでしょうか?この問題に対して判例や通説は法律上の婚姻状態が続きている限り分担義務は免れるものではないとされています。但しこの原則をそのまま当てはめると問題がある場合があります。それは婚姻が破たん及び別居に至った原因を作った配偶者(これを有責配偶者と呼びます)からの婚姻費用の請求です。事案を簡単に説明するとX妻とY夫は婚姻後ある時期に夫の深夜帰宅が続きたため別居したものの一度はよりを戻したが夫がうつ病と診断されてからは再び別居を開始し、その後数度にわたる夫の呼びかけにも応じず別居状態が続き夫に別の女性が現れたためX妻に対し離婚請求を起こしたら逆に婚姻費用の分担請求を起こされた事件です。この事件で裁判所はどのような判断を下したのでしょうか?

次回説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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12年02月28日 08時41分37秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は婚姻の財産上の効果について説明しました。

今回はその続きです。

まず婚姻費用については互いに分担する義務があることが条文上から確認されています。これはある意味当然であるといえます。条文は「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生じる費用を分担する」と定められています。婚姻から生じる費用として社会通念上の生活費でありますが、具体的には衣食住の費用の他交際費・医療費・養育費教育費等が該当します。これらを互いが負担しあうのは当然ではありますが、仮に婚姻が破たんしているような場合は、さらに言えば別居しているような場合はどうなるのでしょうか?

次回以降説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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12年02月27日 08時36分35秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は婚姻の人的効果について説明しました。

今回は財産上の効果についてみていきます。

日本の民法は原則夫婦別産制をとっています。つまり原則としては配偶者の片方が負った債務についてもう片方の配偶者が当然に負うことはなく、連帯債務又は保証人にならない限りその債務について責任は発生しません。但しその債務が夫婦の日常家事に必要なものであれば日常家事債務の連帯責任の原則により負うことにはなってきます。また夫婦のいずれに属するか明らかでない財産はその共有に属すると「推定」されます。このように夫婦別産制を建前に、しかし個々の事案について様々な権利義務を定めています。

詳しくは次回以降見ていきます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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12年02月26日 10時00分37秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は婚姻の効果について説明しました。

今回はその続きです。

婚姻契約は相手方配偶者の貞操権の独占の効果があると前回説明しました。では事実上婚姻が破たんしている場合、それでも貞操を守らなければならないのでしょうか?

この問題に対して最高裁は不貞行為に及んだ当時すでに婚姻関係が破たんしている場合特段の事情がない限り不法行為を構成しないとされ当事者配偶者から不貞行為を行った第三者への慰謝料請求を否定しました。(最判平成8.3.26)この事案は奥さんとの関係が修復不可能なほど悪化した後に知り合った女性と関係を持ちその女性との間に子供までできて同居していた事案で結局不貞行為が不法行為となるのは「婚姻共同生活の平和の維持という権利または法的保護に値する利益を侵害する行為」である場合を指しそれ以前に婚姻が破たんしていれば靄は不法行為にはあたらないとの見解を示しました。

次回もこの続きです。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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12年02月25日 09時00分57秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は婚姻の効果について説明しました。

今回はその続きです。

夫婦には相互協力義務及び相互扶助義務が存在します。これもある程度当たり前なことですが、相互扶助義務はさらに婚姻費用分担義務を別途定めています。これらについては別の機会で説明していきます。

人格的効果として特に重要なものとして婚姻には相手方配偶者の貞操権の独占があります。つまり婚姻している以上性交渉は相手方配偶者に限られ、これに反した場合、当事者配偶者は貞操権を侵害した相手=つまり浮気相手に対して慰謝料請求が可能となります。また不貞行為は法が定めている離婚原因の一番に挙げられこれを理由に離婚請求が可能となります。我が国ではないのですが、お隣の韓国では不貞罪なるものが存在して刑事罰の対象になるようです。ただ不貞行為の損害賠償請求は当事者配偶者のみに認められ、例えば夫婦の子が浮気相手に家庭平和を乱されたと損害賠償請求をしても特段の事情がない限り認められません。(最判昭和54.3.30)

では婚姻が事実上破たんしている場合において浮気ではなく別の人と性的関係に至った場合にも当事者配偶者からの慰謝料請求を受けなければならないのでしょうか?

次回説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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☎099-837-0440
12年02月24日 09時07分53秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回から「婚姻」について説明しています。

今回は婚姻の効果について説明したいと思います。

婚姻はある一定年齢に達した男女が婚姻の意思を持ちその届を役所に提出することで成立します。これにより様々な法的効果が発生します。それを見てみましょう。

まず人格的効果から見てみます。

夫婦には同居し相互に協力しなければならない義務を民法が定めています。(民752)とはいえ同居義務を強制することはできないとされています。ただそれを原因として離婚請求が可能となるだけです。(間接強制は可能であるとされています)協力義務はある程度当たり前だといえますが、これも強制は難しく、強制を求めなければならないとすればすでに婚姻状態は破たんしていると言え離婚原因の一つになるとされます。

次回もこの続きです。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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☎099-837-0440
12年02月23日 08時51分00秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は特別養子縁組について説明しました。

今回から「婚姻」について説明したいと思います。

「婚姻」とはある一定の年齢に達した男女が社会的にも法律的にも様々な効果を受ける「契約」を結ぶことです。この婚姻契約にある当事者を「配偶者」と呼び、親族の中でも特別な存在になります。

例えば配偶者は日本の法律ではたった一人のみであり、相続の順も常に推定相続人の最先順位者と同順位ですし他方配偶者に対して様々な権利義務を有します。

次回からは婚姻の効力について説明したいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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12年02月22日 08時30分37秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は特別養子縁組の効果について説明しました。

今回はその続きです。

特別養子縁組は普通養子縁組と異なり契約ではないので原則離縁について厳しい制限を受けます。

離縁ができる場合として

①養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があること

②実父母が相当の監護をすることができること

の条件を満たし活用しの利益のために特に必要と家庭裁判所が判断した場合に限られます。

次回からは婚姻について説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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☎099-837-0440
12年02月21日 08時31分18秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は特別養子縁組の要件について説明しました。

今回は特別養子の効果について説明します。

特別養子縁組の要件をクリアーして家庭裁判所が審判をすれば養子とその実親との法的親子関係が断絶し、養子と養親との間で実親子と同じ法的親子関係が成立します。つまり養子は実親との推定相続人で無くなり遺族ともなりません。その逆として養親の推定相続人となり遺族の範囲に含まれます。ただすべてにおいて実親との法的関係が断絶するわけではなく近親婚を禁止している規定は適用されますし、戸籍も養子とは出なくても実親まで追えるようになっています。

次回もこの続きです。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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☎099-837-0440
12年02月20日 08時06分50秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は特別養子縁組の要件について説明しました。

今回はその続きです。

⑤必要性等

「父母による養子と為るものの監護が著しく困難又は不適当であることその他特別な事情がある場合においてこの利益のために特に必要があると認めるときにこれを成立させる」(民817の7)と定められています。要は実親より養親に養育されることが子の利益からみて特別な事情が存在するときに認めらるとのことです。

⑥試験養育期間

①~⑤の事由に加え養親が本当に養子を養育することが適当かを見定めるため、6か月間の試験養育期間を設けその資質を観察します。この6ヵ月の起算点は特別養子縁組の請求時からですが、それ以前から監護されていて監護状態が明らかであれば請求前の期間も合算されます。

次回は特別養子縁組の効果について説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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☎099-837-0440
12年02月19日 08時32分23秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は特別養子縁組の要件について説明しました。

今回もその続きです。

③養子の年齢

養親については原則25歳以上である必要がありjました。養子についても年齢制限が設けられ原則家庭裁判所へ請求したときに6歳未満である必要があります。但し6歳に達する前から養親となるものに引き続き監護されていれば8歳未満であれば6歳を超えていたとしても縁組が可能となっています。要は養子の物心つく前に縁組を行うことでより実親子関係に近づけようとする狙いです。

④父母の同意

特別養子縁組は実父母との法的親子関係を断絶することになるので、この縁組により親子関係が断絶してしまう父母の同意が必要となります。この点はある程度当たり前ともいえます。この父母は親権が停止・喪失していても関係ありません。但し親が子を虐待しているような場合や親がだれかわからない場合等一定の事由があれば同意は不要となっています。

次回もこの続きです。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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☎099-837-0440
12年02月18日 09時44分16秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は特別養子の制度について説明しました。

今回はその続きです。

特別養子制度には普通養子より厳格な用件が存在します。どのような要件であるかを見ていきます。

①養親は配偶者のあるものでかつ夫婦が共に養親とならなければならない。

これは、特別養子制度が名実ともに実親子関係と同等程度のものであるために必要な要件となっています。但し夫婦の一方が他方の嫡出子を特別養子とする場合は単独養子となります。

②養親の年齢は25歳以上でなければならない。

年齢制限を設けている目的は成年になってから5年以上たっているのなら人生経験をある程度積んでいることで養子の監護教育をおこなえるであろうとして定めてあるものです。実際には20歳と25歳差にどれほどの養親としての監護能力があるかは不明ですが政策的な意味もあるでしょう。この年齢制限は夫婦が共に25歳以上でなくても養親の一方が20歳から25歳未満であればもう片方が25歳以上であれば認められます。

次回もこの要件について説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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12年02月17日 08時44分53秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は特別養子制度について説明しました。

今回はその続きです。

日本の制度で唯一実親との法的親子関係を断ち切ることができるこの制度はどのようなものでしょうか?

まず普通養子制度と違い「契約」によるものではない点が挙げられます。「契約」と聞くと違和感を感じるかもしれませんが婚姻も実は「契約」の一種です。契約とは簡単に言えば人と人の間の約束と考えてください。ただ身分法は単なる約束だけではその効力を認めず届け出をして初めてその効力が生じるようになっています。が特別養子制度は契約でないため養親となるものが請求し、家庭裁判所の審判によって成立します。子の審判にはいくつか要件があります。どのような要件でしょうか?

次回以降説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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12年02月16日 08時05分55秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は離縁について説明しました。

今回は特別養子縁組の制度について説明します。

基本養子縁組を行っても実親との親子関係が断絶することはありません。日本の養子制度は「家」を守る目的の伝統があり、子の福祉に主眼を置いていないので様々な弊害がありました。例えば戸籍に養子と載ることで簡単に実施関係でないことが分かってしまったりすることが挙げられます。子が記憶に残らないほど小さい時から養親が養育しているのであればわざわざ戸籍から養子であることが分からなくてもいいですし、養親と養子が本当の意味で親子となる制度があってもいいはずです。そこで民法に特別養子縁組の制度を設け養子の福祉及び養親の感情にも配慮した制度を作りました。

特徴として①戸籍に養子とは乗らない②実親との法的親子関係が無くなるとの点で普通養子制度と異なります。

次回はもう少し詳しく見ていきます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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☎099-837-0440
12年02月15日 08時27分30秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は離縁の制度について説明しました。

今回はその続きです。

さて離縁と離婚との異同について前回は説明しました。

離婚との最大の違いであるといえる「死後離縁」の制度というものがあります。

婚姻の場合配偶者の一方が死亡すると当然に婚姻関係が解消しますが、相続放棄をしない限り死亡配偶者の相続人となり遺族となります。

が養子縁組の場合、養親または養子の一方が死亡した場合その死亡後に養子縁組を解消することが可能です。これを死後離縁と呼びます。手続きとしては縁組の当事者の一方が死亡した後、生存当事者が家庭裁判所の許可を得て離縁することができます。これにより法定親子関係が解消され、生存当事者は相続人で無くなり遺族からも外れることになります。

次回は特別養子縁組制度について説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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