2012年 3月の記事一覧

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12年03月31日 08時55分05秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は不貞行為について説明しました。

今回はその他法定離婚原因について説明します。

②悪意の遺棄

難しい用語が並びますがまず「遺棄」とは婚姻の規定にある同居・協力義務を行わないことで「悪意」とはわざとがあたります。つまりわざと同居協力義務を怠っていると裁判離婚を起こすことができます。これもある程度当たり前の規定であると言えます。婚姻契約の内容は前回説明した貞操権の独占だけでなく、1つの独立した家庭としてのコミュニティを形成することも含まれているからです。

今回は短いですがここまでにします。

次回もその他法定離婚原因です。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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12年03月30日 09時02分25秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は法定離婚原因の一つである不貞行為について説明しました。

今回はその続きです。

さて、不貞行為は浮気等の第三者との肉体関係が該当することは前回説明しました。では夫が強姦を犯した場合その行為は通じ合ったのではないので不貞行為にはあたらないとの夫の主張は通じるのでしょうか?

これについて最高裁は不貞行為とは「配偶者のあるものが、自由な意思に基づいて、配偶者以外のものと性的関係を結ぶことであって、この場合、相手方の自由な意思に基づくものであるか否かは問われない」としてこの馬鹿な夫の主張を退けました。当然の判決です。ちなみに強姦罪は原則男にしか適用がありませんが、女性にも適用されることがあります。それは女性が男に対して強制的に性的関係を結ぶことではなく、男を利用して女性に性的関係を強要すること、いわゆる共同正犯の場合に成立します。(TBSのドラマ白夜行で雪穂が亮司に同級生をレイプしたように見せかけた行為はこれに該当します。但し未遂ですけど)

次回はその他の法定離婚原因を見ていきます。

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12年03月29日 08時41分18秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は離婚の意思について説明しました。

今回から裁判離婚について説明します。

当事者の協議ができないとき、又は一方当事者が離婚に同意しないとき離婚することは不可能なのでしょうか?日本の民法はそのような場合裁判によって離婚を成立させることを認めています。ただその場合法律が定めている「離婚原因」に該当してかつ裁判所が一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認められないときに離婚することができます。

法で定められている離婚原因は5つあります。それを一つずつ見ていきます。

①不貞行為

「配偶者に不貞な行為があったとき」は訴訟で離婚を求めることが可能になります。婚姻契約は相手方配偶者の貞操権の独占を意味しますのでそれを犯せば第三者へは不法行為による損害賠償、相手方配偶者には離婚を請求できます。ではその不貞行為とはどのようなものでしょうか?当然第三者との肉体関係があれば不貞行為に当たるでしょう。

では夫が浮気ではなく強姦を働いた場合はどうなるのでしょうか?

以下のような事件がありました。

夫が友人と共謀して約半年ばかり強姦を繰り返していましたが事件が発覚し捕まりました。当初妻へは見張りを働いていただけとの説明をしていましたが、夫の兄から真相を聞かされ愛想を尽かし、裁判による離婚を請求したところ「不貞行為」とは自由意思によるものだとして夫が反論してきました。

この鬼畜な夫の理不尽な主張は認められたのでしょうか?

次回説明思します。

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12年03月28日 08時31分19秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は仮装離婚の効果について説明しました。

今回は離婚の意思について説明します。

離婚の意思は婚姻と異なり、その法律効果を受益する意思の合致で可能です。ですが、離婚の意思の合致がなければ離婚は当然無効です。そのため詐欺強迫により離婚を強制されれば離婚は取り消しが可能になります。この場合取消が認められると離婚が成立していなかったことになり、その間に後婚が成立していれば重婚状態になります。(これについては以前説明しました)また、離婚届作成時に離婚の意思があってもその後叛意すればその離婚は無効と言えます。そのため離婚届不受理の申し立ての制度があり、この申出をしていれば役所は届出の受理しないことができます。(届出不受理申し立ての制度の利用はほとんど離婚届であると言われています)

次回からは当事者間で離婚の合意ができない場合、いわゆる裁判離婚について説明してきます。

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12年03月27日 08時45分13秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は仮装離婚について説明しました。

今回はその続きです。

仮装婚については無効となることは以前説明しました。では、仮装離婚も同じ結論となるのでしょうか?

実は仮装婚と異なり便法として届け出をした離婚届の効力は有効であるとされています。(最判昭和57.2.26その他)なぜ、婚姻と離婚では結論が異なるのでしょうか?

婚姻の場合新たな法律関係を創設するのに対し、離婚はその解消となるためであると言われています。つまり婚姻が成立すると当事者だけでなく第三者へも影響が出てきますが(日常家事連帯責任等)、離婚は婚姻を解消するので第三者が害さることがないという点で便法たる仮装離婚が認められる点になります。ちなみに離婚をすると相続人にはなれませんが遺族としては事実婚配偶者として遺族の範囲に認められます。

次回も離婚をテーマにしていきます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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12年03月26日 08時38分59秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は婚約について説明しました。

今回から「離婚」について説明します。

婚姻の解消原因はいくつかありますが、たいてい相手方配偶者の死亡か離婚による解消かのこの2つによることが圧倒的でしょう。相手方配偶者の死亡による婚姻の解消には相続が発生します。離婚による婚姻の解消も一定の法律効果が発生したりします。その効果を説明する前に離婚の意思についてまず見ていきます。相手方配偶者の死亡は予期できない場合も多いですが離婚は原則当事者同士の意思の合致ですることが可能です。これを協議離婚と言います。そしてその届を役所に提出して受理されると離婚が成立します。これは世界的に見ても珍しいらしいです。では、その離婚の意思が合致している場合、実は離婚による法的効果のみを享受してその後も事実婚状態を保つ、いわゆる「仮装離婚」の効果は「仮装婚」と同様に扱われるのでしょうか?

次回以降説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

 

藤原司法書士事務所

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12年03月25日 08時41分12秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は婚約について説明しました。

今回はその続きです。

婚約の正当事由のない破棄は損害賠償請求の対象になることは前回も説明しました。

では、結納等も行わず親等にも付き合いを告げていない場合の婚約の効力はどうなるのでしょうか?

前回の例で最高裁は「X女がYの球根に応し、真実夫婦として共同生活を営む意思でこれに応じて婚姻を約した上、長期間にわたり肉体関係を継続したものであり、当事者双方の婚姻の意思は明確であって、単なる野合私通の関係でないことを認定しているのであって、その認定は首肯し得ないことはない。右認定のもとにおいては、たとえ、その間、当事者がその関係を両親兄弟に打ち上げず、世上の慣習に従って結納を取り交わし或いは同棲していなかったとしても、婚姻の予約の成立を認めた原判決の判断は肯認しうる」としてX女の損害賠償を認めました。妥当な判決だとは思います。

次回からは離婚について説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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12年03月24日 08時29分55秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は婚姻の意思について説明しました。

今回は婚約について説明します。

婚約とは将来当事者が婚姻を行うことを約束する合意です。法律上明記されているわけではありませんが、慣習上結納等の儀式があります。また、正当事由のない限り婚約を破棄すると損害賠償責任が発生してしまいます。この婚約の不当な破棄は結納等を行っていなくても損害賠償の対象となるのでしょうか?

次の事件がありました。

X女とYは幼馴染でいつからか恋心を抱き共に21歳になった頃YはX女に結婚の申し込みをして大人の交際を重ねていました。以来7年ほど交際を重ねていましたが、それを互いの両親等に打ち明けたり結納等を行ったりはしていません。交際が7年を過ぎたころからYがX女を避けるようになり、その2年後Yは別の女性と事実婚の状態に入りました。そこでX女は正当な理由もなく婚約の破棄をしたとしてYを訴えました。がYはX女の関係は単に性的享楽関係に過ぎず結婚を前提としていないとして反論をしてきました。

結納等を行っていない婚約の効力はどのような結論を迎えたのでしょうか?

次回説明します。

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12年03月23日 08時39分40秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は婚姻の意思の時期について説明しました。

今回はその続きです。

さて、婚姻の意思を有していたが届出時には意識不明となりそのまま亡くなってしまった婚姻届の効力はどのようになるのでしょうか?

前回の例で最高裁は婚姻を前提としているお付き合いを重ねていたものが婚姻意思を有しかつその意思に基づく婚姻届を作成すればたとえ届出時に意識不明に陥っていても受理前にその届を叛意したような特別な事由のない限り有効に成立するとしてXの主張を退けました。妥当な判決だと言えます。

ちなみに以前は婚姻意思を有していたがその意思を叛意した場合、婚姻届の不受理の申出ができます。これによって役所が婚姻届を受理しないことができます。ただこの制度は婚姻届よりも離婚届で利用されることが多いらしいです。

次回は婚約について説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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12年03月22日 08時41分13秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は婚姻の意思について説明しました。

今回はその続きです。

婚姻の意思とは単に便法としての婚姻の意思では足りず真に婚姻をする意思が必要となるのは前回も説明しました。ではその意思はどの時点まで必要なのでしょうか?というのも婚姻の形式的要件として役所に婚姻届を提出しなければその効力が発生しません。身分行為の契約は割と届出が必要になることが多いです。契約法における契約とは対照的です。(契約法では意思の合致で契約が成立する場合が多い)例えば以前は婚姻の意思を有していたけど届出の時点では気が変わったといった場合に届け出が受理されるとその効力はどうなるのでしょうか?

この問題とは直接関係しないのですがこのような事件がありました。

A男とY女は結婚を前提としてお付き合いをしていましたが、ある日Aが病に倒れ手の施しのない状態となってしまいました。そこでAはAの兄にYとの婚姻届を提出してほしいと懇願し、Aの兄が代書した婚姻届を役所に提出している間Aは意識不明となりそのまま亡くなりました。Aの母Xはこの婚姻は届出の時点でAは意識がなかったのだから無効でありYが相続財産を横取りするためにしたものだと主張して裁判を起こしました。

このXの主張は認められるのでしょうか?

次回説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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12年03月21日 08時52分16秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は婚姻の意思について説明しました。

今回はその続きです。

さて、子の嫡出子の身分を得るための届け出をした「仮装婚」の効力、法律上はどうなるのでしょうか?

前回の例で最高裁は「婚姻をする意思のないときとは当事者間に真に社会的観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すものと解するべきであり、したがってたとえ婚姻の届出意自体について当事者間に意思の合致があり、ひいて当事者間に、一応、所論法律上の夫婦の身分関係を設定する意思が認めうる場合であっても、それが、単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないものであって、前述のように真に夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかった場合には、婚姻はその効力を有しないものと解するべきである」とされ仮装婚は法律上無効であるとされました。少々気の毒な結論になりましたが一般的には妥当であると言えるでしょう。ですのでよくドラマ等にある仮装婚の効力は法律上は無効になると言えます。(ただドラマ等は最終回に近づくと仮装婚の当事者が恋に落ちているので法律上も有効になっていますが・・)

次回もその続きです。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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12年03月20日 08時59分28秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回から婚姻の意思について説明しています。

今回はその続きです。

婚姻の意思がないのに婚姻届を提出したいわゆる「仮装婚」、よくドラマや漫画等で出てくるこの設定は法律上の効果としてはどのようになってくるのでしょうか?

これに対する答えとしてある事件を紹介します。

この事件はジュリストという判例の雑誌の家族法判例百選の一番目に出てくる事件です。

戦後間もないころ大阪で保健所で勤務していたY女が上司の家に下宿することになり、その上司の息子Xと恋仲に陥りましたが、息子の両親に結婚を反対されてしまいました。しかしY女とXの関係は下宿先から引っ越した後も続きその間3度ほど中絶も行い4度目の妊娠でついに出産する決心をしました。Xもそれに反対するわけでなくむしろY女を応援して出産費用などを援助して、出産した子の名もXが決めました。X自身はこの時点では婚姻の意思を有していましたがその届出に至らないうちに時がたち、Xに別の女性との結婚話が出てきて式の日取りまでも決まってしまいました。そこでXはY女との関係を清算するためY女の親族を交え話し合いを行ったところY女からせめて子の身分が非嫡出子のままでは不憫なので、一旦Y女との婚姻届を提出して子を嫡出子にしてからすぐに離婚届を提出するのでそうしてくれないかと頼み、しぶしぶXもそれを飲みました。しかしY女は婚姻届を提出しても離婚届は一向に提出しないのでXからYとの婚姻は無効であるとの裁判が提訴されてしましました。

心情的にはY女の見方をしたくなるこの事件、法律上効果はどうなるのでしょうか?

次回説明します。

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12年03月19日 17時41分02秒
Posted by: fujiwarasihousy
今回のブログで誤解を生む表現をしてしまいました。

詐欺による婚姻の取り消しは可能です。私の趣旨としては人違いその他の事由はAという人と婚姻する意思を持っていたのに誤ってBを配偶者とする婚姻届を提出してしまったりすることが該当することで、単に収入を偽っていたり年齢をごまかしていたことが錯誤や詐欺にはあたらないということを説明したかったのですが、うまく表現できませんでした。ブログは修正しております。

今回誤解を生む表現をしてしまいましたことお詫び申し上げます。



藤原司法書士事務所

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12年03月19日 08時33分43秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は婚姻の障害事由について説明しました。

今回から「婚姻の意思」について説明します。

婚姻も契約の一種であるので当然婚姻の意思の合致が必要になってきます。それを間接的に定めているのが742条の1項に「人違いその他の事由によって当事者間に婚姻する意思がないとき」は婚姻は無効となると定められています。この人違いその他の事由は例えばお金持ちだと思って結婚したけど実は貧乏だったとかがその他の事由にあたるかと言えば当たらないとされています。そのため、民法総則に規定されている錯誤(勘違い)による無効の主張は出来ません。

次回も婚姻の意思について説明していきます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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☎099-837-0440
12年03月18日 09時20分17秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は一定親族との婚姻の禁止について説明しました。

今回は他の婚姻障害事由について説明します。

⑤異性間であること

日本の民法に明文化されているわけではないのですが、原則同性婚は禁止されていると解されています。但し性同一性障害においてある一定の条件を満たせば家庭裁判所の審判において性別の変更が可能です。(性同一性障害者の姓別の取り扱いの特例に関する法律)これにより、戸籍の訂正がなられれば生物学上では同性であっても法律上は異性間の婚姻として認められることになります。詳しい要件等はこのブログの趣旨に合わないので割愛します。

次回は婚姻の実質的要件「婚姻の意思」について説明していきます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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