渥美郡渥美町大字日出(現、田原市日出町)の土地の売買登記の時、たしか、農地の売買と山林の売買の2件の登記の時だったと思います。その土地に所有権移転請求権の仮登記が付いていました。仮登記権利者は「伊良湖岬村農業会」でした。普通は抵当権が設定されていますが、この日出町の土地にはなぜか、所有権移転請求権の仮登記が付いていたのです。抵当権ならば共同担保目録を見れば一目で全ての物件が分かります。所有権の仮登記は全ての物件を調査することは出来ません。つまり本体が誰か分からないのです。勿論、当時の所有者の戸籍を追いかければ出てきますがね。戸籍まで取って本人が田原市(当時は渥美町)に住んでいなければあまり意味がありません。勿論、仮登記がついている他の土地等がなければこれも捜す意味がありません。と、ゆうことで戸籍などは取らなかったですね。 過去、偶然、農業会の抵当権の付いた土地を見つけて、このような農業会の抵当権抹消の電話をしても良い返事は無かったです。ある人は「農業者年金を頼んだ時に何にも言わなかったな。もう一度OO先生に聞いてみるか?」と言われ、私も慌てて、「私の閲覧ミスかも知れません」と言って電話を切ったことがあります。又ある時は相続登記をしたばっかりの家に電話したところ、声に聞きおぼえがあり、私も「あなたの処へは昔電話したよな、このことで、それで抹消してくれない先生に今度も相続を頼んだのか、馬鹿じゃないのか」と、言って電話を切ったこともありました。それで電話してもいい返事はもらえず、気分が悪くなるだけでした。だから敢えてこちらから電話するのをためらう様になりました。こういうあまり重要でない抹消仕事は、土地所有者の方々から見れば、そんなに急いで登記をする必要のない仕事で、どうでもいい話だと思っているのです。しかしその当時は清算人の方は生存していましたので簡単に印鑑証明書を取ることが出来、農業会の抹消が簡単に出来ました。しかし今は全員死亡してしまいもう簡単に抹消は出来ません。あの当時なら2、3万円で抹消出来ましたね。私も当時の清算人から実印を押した委任状を50枚ぐらい作って持っていました。事務所から清算人のいる渥美半島の表浜にある和地町まで、2往復18キロ、印鑑カードを借りに車でよく走りました。最後の清算人の方は河合さんと言いました。この方が亡くなる前の最後の抵当権の抹消の時、電話したら息子さんが病院に入院していると言いました。印鑑証明書を1通取ってくれるように息子さんに言いました。それからしばらくして、電話したら清算人が亡くなっていました。印鑑証明書は取ってあると言いましたので、すぐに行きました。印鑑証明書は残念ですが3カ月以上経っていました。すぐに行かなかった私のミスでした。これが最後の清算人の話です。この方が昭和23年の農業会の解散の時、「清算人を選任した当時、その当時では一番若い人(10人)に清算人になってもらったんだよ」と私に、かなり以前に話をしてくれたことがありました。この件は本当に抹消登記が出来ずに残念です。

 田原市日出町の仮登記はその後、日出町にある宅地の登記簿を閲覧していたところ、ある宅地に御丁寧にも同じ仮登記が付いていたのを発見しました。本体の発見でした。電話したところで、抹消に応ずるかどうかは分かりませんので、そのままにしていました。ある時、伊良湖町の山本さんが事務所に来られたので、この人の名前を出して聞いてみました。驚いたことに「俺の相棒だ」と言いました。「OOの元支店長だ」とも言いました。私もあの人かな、と、うすうす感じました。OOの元支店長さんでも、面倒くさくて抹消しなかったのかと思わず思いました。大変お世話になっていても、これじゃ義理も人情もありません。ひどい話になりました。私の事務所で相続をやっていれば、抹消出来たのにな、と、思うと何も言えなくなりました。仕事の忙しい事務所はどんどん手抜きをするんですね。もったいない話です。この先生は農業会の抹消の仕方を知っています。私が印鑑証明書をどこで取るか教えていますので、抹消登記もやった事があり、知らない訳は絶対ありません。その後、この元支店長さんは私を見るといつも優しくにこにこしながら挨拶をして下さいます。勿論テレパシーは来ています。でも私からこの件を話すことはしません。もったいないですが。

  ※清算人の全員が亡くなっても抹消登記は出来ます。勿論、今ではお金はたくさん掛   かりますがね。

  ※この話はまだ、田原に登記所があったころの話です。 にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 田原情報へ