第1話
 鎌田町内から右折して田原警察署方面に抜けていくと最初のカーブミラーがあります。この話は平成10年の話です。当時マークⅡ1800CCの車に乗っていました。もちろん中古ですが、とても燃費がいいので結構気に入っていました。既に20万キロは超えていました。朝事務所に行く出来ごとでした。私もそんなに早く行くほうでもありませんで、9時頃だったかもしれません。いつものように右に曲がってその道に入りました。当時はその道がそんなに危険な道とは知りませんでした。だから1本目のカーブミラーなど全くと言っていいほど見なかったですね。カーブのところに家が建てられましたが、ブロック塀は最初の頃はなかったです。その後ブロック塀が作られ全く見遠しが悪くなりました。相手の車は全然見えなくなりました。道路が狭いので真ん中を走っていました。そのブロック塀の近くまで来ました。私の車のスピードは40キロぐらいだったでしょう。突然と言いますか、そのブロック塀から車の一部が見えました。私から見ると左に曲がるカーブですので、私の方が先に気が付きます。そのスピードが70キロぐらいに見えました。その時ぶつかると思いました。今まで一度もぶつかったことがなくハンドル一本で全部逃げ切ってきたのですが、今回だけは逃げ切れずにぶつかると思いました。この道が細くかわすことが出来ないと思ったからです。ブロック塀の下を見ると側溝にコンクリートのふたがないのが見えました。それでもそのふたの無い側溝に、タイヤを落とせば逃げ切れるかも知れないと思い、側溝に向かってハンドルを切りました。一瞬の出来事です。右のバックミラーを見ました。相手の車がぎりぎりですれ違うのが見えました。よし抜けたと思った瞬間でした。左の後輪タイヤにドカーンと衝撃があり、その衝撃で私の車が道路に飛び出してきました。なんと側溝に偶然ですが一個コンクリートのふたがありそのコンクリートに後輪がぶつかり飛び出して来たのでした。車はブロック塀にはぶつかりませんでしたが、後輪のタイヤがパンクしてしまいました。私は車が飛び出してきたと同時に車を止め相手の車を見に行きましたが、すごい勢いで走って行くのが見え、ちょうど鎌田町内へ曲がっていくのが見えました。相手は私がこんな操作をして衝突を回避したことなど全く知らなかったかも知れません。私は少し放心状態になり、ブロック塀のとなりの家(たぶんブロック塀の家の人と親戚だと思う)の駐車場に車を入れました。そこへ偶然ブロック塀の家の持ち主が帰って来ました。その夫婦の方はまだ若く、見知らぬ男が親戚の庭に車を入れているのを見て近ずいてきました。私は今までハンドル一本でどんな時もぶつからずに逃げ切ってきたが、今回だけは衝突するかと思ったことを話し、タイヤを側溝に落とせば逃げ切れるかと思いタイヤを側溝に落としたら、側溝のコンクリートに後輪が当たり飛び出してきたがタイヤがパンクしたと話しました。そこの奥さんが道路を見に行きましたので、私も見について行きました。側溝には確かにコンクリートのふたがひとつ置かれていました。その時です。私も、そのまだ若い奥さんも道路を見てびっくりしました。なんと道路にくっきりと二本タイヤの跡があり、側溝にむかってずーと伸びているのです。無意識に私もブレーキを踏みながら側溝にハンドルを切っていたのですね。タイヤの跡は道路の真ん中あたりから付いており、そのままでは当然衝突していましたね。見事なハンドルさばきでした。きっとその若奥さんも嘘を言ってない私のハンドルさばきに惚れたでしょうね。そのあと、当時、この近くにある弟の事務所の隣の内籐タイヤ店さんへパンクしたままゆっくりと車を動かして、タイヤを新品と交換してもらいました。
その後、それからはここへ来ると必ずカーブミラーを見ます。尚、田原市の土木に電話をしてすぐに側溝にふたをしてくれと言いましたが、コンクリートの側溝ふたが敷き詰められたのは電話してから1年ぐらい掛かりました。その後はそこを通る度ごとに側溝を見たものです。この事件の後、私は市役所の公務員のお兄ちゃんたちとけんかするたびにこれを持ち出して、いつもこう言います。「お前たちがやっていることが全部正しいなんてことは絶対ありえないんだぞ」とね。

 後から知りましたが、この事件が起こる前に鎌田町内の方がここで事故を起こしたこ  とを淳子さんから聞きました。


第2話
 それから2,3年後の話です。車はスプリンターの1500CCに変わりました。
いつものようにカーブミラーを見ながら走って来ました。まだ遠くから見ていると、カーブミラーに白いものが横切ったのが分かりました。それでスピードを落としました。なかなか車が来ないなと思い、左に寄ることにしました。ここで一回警笛を鳴らしました。スピードも30ぐらいに落としました。すると白い軽自動車が突然私の車線側に入りながら飛び出してきました。この場所は第1話よりももっと手前(ブロック塀のカーブまで行かない)の道路上になります。びっくりしたのはその車に乗った女性でしょう。私の車を見てびっくりしてブレーキを踏んで突っ込んできました。私はこの女性が驚いて目をつぶりハンドルを左に切らずにそのままハンドルにしがみついて突っ込んできたのをしっかりと見ました。私の車のすぐ手前7メートルぐらいの目の前ですよ。顔もはっきり見えました。私も一瞬右に切ろうかなと思いましたが、もし女性が左に無意識に切ったら衝突すると思い、やはり左に切りました。私は車が来ることが分かっていましたので左にヒョイとかわして側溝の上をゴトゴトと音を立てて走りました。すぐ電信柱がありますので、軽をよけると同時にブレーキを踏みました。すると車の後ろが軽自動車の方にスリップしたのを感じました。このままでは後ろが軽自動車にぶつかると思い、私もすぐブレーキペタルから足を離し、もう一度踏みなおしました。つまりダブルブレーキを一瞬の間にやりました。結局ぶつからずに済みました。女性はハンドルに倒れこんだまま車を止めて、じっとしていました。近づくと喪服を着ていました。私が窓ガラスをコンコンとたたくと、やっと体を起して私の方を見ました。「私が警笛を鳴らしたのがわかりましたかね。ここは必ずカーブーミラーを見ないと危ないですよ」と喪服を着た5、60代の女性に言いました。きっとぶつかったと思ったことでしょう。すぐに後ろから車が来ましたのでそのまま別れました。結局この女性は一言も言わず火葬場へ走って行きました。実を言いますとこの道は田原市の火葬場に行く近道でもあり、火葬場に隣接している斎場「やすらぎ苑」もあり、この女性もそこに行くために急いでいたと思います。事故にならなくてよかったですね。もしこのブログを読みましたら、お礼の電話をして下さい。第1話の方も火葬場へ急いでいたかも知れません。ここは本当に危ないですよ。今でも時々ひやっとします。



 少し余談になりますが、30年ぐらい前かも知れません。昔、ゲームセンターに行くとゲーム機の中に車で前の車を抜いていくゲームがありました。 今のように座ってハンドルを持ってするゲームではありません。画面の前に立ってハンドルを握って5センチくらいの大きさの車で上から下りてくる多くの車の間を縫って走るんですが、ぶつからないようにハイスピードで走ると点数が伸び3000点を超えると、ゲーム時間が伸び5000点代に載せることが出来、そこが最高得点であり時間切れになります。ある時、伊良湖岬にある伊良湖港湾センター(今は道の駅伊良湖クリスタルポルト)へ行きそこのゲーム機で自動車の追い抜きゲームをやりました。一回しかやりませんでしたが、やっている最中に後ろの方で女性の大きな声でキャーキャー言っているのが聞こえました。さすがに私もゲーム中でしたが気になって一瞬振り返りました。女子高生が二人私のゲーム画面を見て興奮して叫んでいたのです。私も一瞬後ろを見たのですが、当然画面の中の車はぶつかってしまいました。ゲームに戻りましたが、後ろの女子高生は相変わらず同じようにキャーキャー言っているのが聞こえました。結局一回振り返ってぶつかったのが原因で3000点に乗せず、いつもは5000点にいきますが、この時は5000点にはいかないままゲームは終りました。私もまたゲームをやるのも恥ずかしいのでこのまま帰ろうとしました。そして左を向いて帰ろうとしたところ、なんと女子高生が大きな声でキャーキャー騒いでいるのを聞きつけた人たちが2,30人ぐらい私を取り囲んでいました。私はその中をこそこそと帰ってきました。ゲームでこれぐらいの集中力があるから今まで事故もなくこれたのですね。今まで事故なしでこれたのはまぐれではなかったのです。みなさんもゲームで集中力を磨いて事故のないようにしましょう。
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