この話は平成5年から平成7年の3年間を費やして相続を完了し、その持分を地元の方に移転登記をした話です。持分を売却した方は既に亡くなっており、その相続人に話をしなければならない仕事です。長男であるSさんは、相続人のなかでは一番近くに住んでいましたので、とりあえず、電話しましたところ、明るくていい人だなと思いちょうど仕事で近くに行ったので寄ることにしました。その人は一人暮らしで、離婚したばっかりでした。仕事人間だったかもしれません。行くと、小さな一軒家で、声をかけると,右手に箸を持って出てきました。ラーメンを作っているところだと言いました。こんな姿を見せたくなかったのでしょう。「こんな所まで来なくてもいい」と言って追い出されました。迂闊に行ってしまったと思い後悔しましたが、とき既におそしで,その後は、なかなか良い返事を貰うことができませんでした。この方には兄弟姉妹がおり、一番年上で長男でした。その為この方を落とせば登記が出来ると思ったのです。しかし、話がこじれて、話が前に進まず、にっちもさっちも行かず、本当に困ってしまいました。弟さんの電話番号を調べて、弟さんとは、2,3回電話したことも有ります。弟さんは、自分だけでも証明書に印鑑を押して、印鑑証明書を取ってきて郵送するから協力金を早く貰いたいと言う話もしたことがあります。弟さんは、とにかく協力的でした。ある時、弟さんに電話したところ、ついうっかりして、「兄さんも離婚したばっかりだから、ひねくれているのですよ」と言ってしまいました。そしたら弟さんが驚いて、「なんだ、兄貴は離婚していたのか、それで住所が変わっていたのだな」と言いましたので、私も離婚したのを知っていたと思っていましたので、あわてて弟さんに「このことは絶対お兄さんに言わないで下さいね」と、何度も何度も念を押して、電話を切りました。私はすぐにSさんに電話しました。「渥美の代書の川崎ですが、どうですかね、あんまり登記を遅らして、こんなことしていると、離婚がばれちゃいますよ」と、小さな声で、すまなさそうに言いましたところ、Sさんは声を張り上げ、「ばれてもいいわ」と、明らかに怒った声で、電話をガチャンと勢い良く切られました。Sさんには申し訳ないですが、私は笑いをこらえきれずに、手をたたいて笑いました。やっと、又一歩前進したと喜びました。でも、さすがにこの日から1年間は、電話出来ませんでした。そして1年間ちょうど経ちましたので、電話を取り、Sさんへ電話しました。「渥美の川崎代書ですが登記の方はどうでしょうかね」と言ったところ、Sさんは穏やかな声で、「あんたの言うとおりにするよ」と言いましたので、私も「ありがとうございます。弟さんや妹さんへの書類はどうしますかね」と、言ったところ、私に送ってくれと言いましたので、相続書類等を送りました。その後しばらくしたのち、Sさんと田原郵便局で会い相続書類を貰い、その場で現金書留を4人の方に送りました。そしてその後は、相続書類を使い、42筆の相続登記申請をして、相続登記完了後、この持分42分の1を買った人に持分移転登記をして、この件を終らせました。これは小さな難関の一つで、そして始まりに過ぎません。


題名では「こんなことしてたら秘密がばれちゃいますよ」となっていますが、本当は「こんなことしてたら離婚がばれちゃいますよ」が正しいです。題名の中に離婚と書くと答えが出てしまいますので、秘密と書きました。


事件簿を見ると、平成7年6月に相続登記を完了していました。
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