この話は詐欺師の男が残していった覚書の日付昭和58年5月頃の話です。事務所より田原方面で事件は起こりました。当時、まだ渥美半島には登記所が2ヶ所ありました。詐欺師の男は当時60才に近かったと思います。その土地に住んでいた所有者の老人は70才ぐらいだったと思います。まず二人で事務所に来ました。1反ほどの更地(登記地目は山林)の移転登記をして欲しいとのことでした。覚書を見ましたが、あまり内容がよく分かりませんでした。それで話を聞くことにしました。すると男はまあ税金の出ないようにやってくれだとか言ったり、売買なのか金の動きがあるかないのか、よくわかりませんでした。これでは登記出来ないですよと言ったところ、男は笑いながら実はこの人の土地を借りて鋼材を置いていたところ盗まれてしまったので、その責任を取ってもらうため土地をもらうのだと言いました。いくらぐらいの鋼材ですか?と聞いたところ値段は言わず笑うだけでした。でも盗まれたなら警察に届けますよねと聞いたところ、届けてないとのことでした。私がおかしいでしょうこんな登記はできないですよと言ってやりました。その間老人の方は一言も話しませんでした。今考えるとこの老人の方は脅迫されていたかも知れません。実はこの土地の名義は息子になっており、町内で別居していた息子から移転する必要がありました。その後男から「おまえは司法書士だろう司法書士は登記だけをすればいい内容なんかに口を挟むな」と電話で怒鳴られました。この電話は録音されているから、脅迫なら警察にだすぞと言ったら、急におとなしくなって笑いながら切れました。しかし息子がかなり怖がっており私も何回も電話で大丈夫だから心配しないようにと話しました。ここで私の仕事は終りました。ボランティアでした。ここからは私は全く関知しない事件に発展していきました。しかしこの詐欺師は諦めていませんでした。この後息子は他の先生の所で老人の名義にしたのです。そしてこの土地を詐欺師に取られました。でもこの息子はそれを知って詐欺師と裁判をしたみたいです。偶然その土地の登記簿を見て知りました。私に相談すれば詐欺師もあきらめたのに残念です。覚書の会社を登記情報で調べたら名古屋市中川区(覚書は緑区)に同じ株式会社名の会社が1社ありました。ついでに会社の閲覧をしました。資本金25万円、目的に綜合建築及建設の請負とあり役員欄は監査役(昭和59年8月就任)しかなく氏が同一でした。この会社に間違いないと思いました。勿論その会社の電話番号もなく。平成2年法律第64号により平成8年6月5日解散登記の記載がありました。渥美町のみなさん、もし裁判になっても私は証人になります。逃げも隠れもしませんから安心して頼って来てください。
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