前回は「遺贈」と「死因贈与」について説明しました。

今回はその続きです。

さて非常に似通っているこの二つの制度どのような違いがあるのでしょうか?

実務上大きな違いが贈与する財産が不動産である場合、遺贈については「仮登記」ができないのに対し、死因贈与なら「仮登記」ができることがまず挙げられます。

「仮登記」とは?簡単に言えば不動産の将来の名義変更を予め「仮に」行っておくことで将来の紛争を未然に防ぐ制度のことです。なぜこのような制度がもうけられているかと言えば、通常物の売買は当事者の意思の合致さえあれば成立します。物の引き渡しや代金の支払いが契約の成立要件ではありません。

そのため所有権自体は移転していても物が移転していなければ外観上誰の所有物であるかわからないことになります。それで不動産に対しては「登記」という制度を設けて所有者を判別できるようになっていますが、あくまで任意の制度となっています(利用するか否かは当事者の意思)。但し登記をしなければ当事者以外の第三者に自分の不動産であることを主張できなくなってしまします(これを「対抗力」と呼びます)。

仮登記には対抗力はないのですが本登記ができるようになれば仮登記の順位で本登記の効力が発生するので死因贈与の契約の内容が守られることになります。それに対し遺贈はのちに別の遺言で撤回することができるのでその撤回権を保護するために仮登記は認められていません。その他にも遺贈であれば相続人が相手なら免許税は安くなりますが、死因贈与では相続人相手でも安くなりません。

今回遺言の撤回が出できましたので次回は遺言の撤回の方法について説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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