トラママさんからリクエストをいただいたので子連れ再婚のことを今日はもう少し書きますね。

例えば、鈴木さん(男性)と田中さん(女性)が再婚して、鈴木さんには未成年の子供がいたとします。婚姻時に田中さんが鈴木さんの戸籍に入れば全員が鈴木姓になります。
反対に田中さんに子供がいる場合は、子供はすんなりと田中姓にはなれず、子の氏の変更という申立を裁判所にして、許可がおりて初めて親の戸籍に一緒入れることになります。
いずれの場合も、一見した限りではと夫・妻・子の間にも親子関係があるように錯覚してしまいます。でもこれは間違い。たとえ戸籍が一緒になっても、養子縁組をしない限りは親族関係は発生しないのです。覚えておいてくださいね。
ですから、二人の間に親族関係を生じさせるには「養子縁組」をする必要があります。再婚するときは、相手の子供を養子にするのか、きちんと決めておく必要があります。

「養子縁組」は、家の存続のために子供のいない夫婦が利用したり、相続対策で養子縁組をしたり、あまりなじみのない制度と思われがちですが、実は離婚・再婚が増えている世の中にあっては、身近で知っていた方がよい制度です。
「養子縁組」というのは縁組届を市町村役場へ提出すれば成立します。
「養子縁組」をすることによって、養子は養親の嫡出子の身分を取得し、相互に相続権が発生します。つまり、実子と同様の関係になるということですね。
「養子縁組」はなんら難しい手続きではありませんが、子供に相続権が発生し、相互に扶助義務がありますから、するのとしないのでは、一方に万が一のことがあった場合は大きな影響がでてくることになります。そして、成人の子を養子縁組する際に気をつけなければならないことは、養子縁組前に生まれた養子の子は、代襲相続権がないということです。
前回二つ目にご紹介した例は、まさにこの点が問題で、成人した子に相続権を与える代わりに、自分の介護をしてもらう目的で養子縁組したにもかかわらず、先に養子が亡くなってしまえば、養子の子供は代襲相続できないのです。このケースでは、養子の子供とさらに養子縁組をすることが可能かどうか検討していかなければなりません。

私の経験では、未成年の子がいる場合は、子供への影響を考えて養子縁組をしている方が多いように思います。逆に成人した子がいる場合は、子と親は切り離して考え、強いて養子縁組はしていないような気がします。でも問題が起きるのは当然後者のケースが多いです。「婚姻は当事者間がよければいい、二人の問題だ」というのはやはり違うのではないかな・・もちろん考え方は人それぞれですが。

最後に一点、養子にした子供は、実親との親族関係も続いているので、実親との間の相続権も当然持っています。
家族の事情はそれぞれだと思いますが、もし当てはまる方がいらっしゃれば参考になればと思います。
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