昨日は、裁判所に成年後見の申立を行いました。

この制度、以前は「禁治産者」という呼び方をしていたのですが、差別的な表現ということで、平成12年の民法改正時に「成年後見」という名称に変更されました。

最近では、認知症の方の不動産を売却しようとしたときや、銀行で定期預金を解約しようとしたときに、本人の意思能力(売ろう、解約しようと決める能力)が不十分ということで、売却や解約ができず、成年後見制度を利用する方が多くなっています。

この制度、裁判所が、意思能力が不十分な方に「成年後見人」を選任し、成年後見人が本人のために財産管理を行うというもので、例えるなら、未成年者と親権者(両親)のような関係です。

後見が開始されると、原則として本人の法律行為(契約したりすること)は全て無効となり、後見人が本人の法定代理人として法律行為を行うことになります。例えば、必要がある場合には不動産の売却をしたり、定期預金を解約したりできるのです。すごく大きい権限なんです。

後見人には親族がなることが多いのですが、仕事や家事で多忙である場合や、法的に困難な事務が予想される事案などの場合には、弁護士や司法書士などの専門家が選任されることになります。残念なことに、親族の場合だけでなく司法書士などが後見人になった場合でも、本人の財産を自分のために使ってしまうことが過去にありました。これは立派な犯罪(横領罪)です。逮捕者も出ています。そのため裁判所では、親族が後見人になるにあたって、申立時に、後見の申立をした動機や今後の財産管理の方針を確認し、自分の財産と分けて管理するように厳しく指導しています。

従来は子供が親の預金を引きだすことはよくあることでした。引きだしたお金を親の生活費に使ったり、介護施設の入所費用にあてることが多かったと思うのですが、最近は色々厳しくなってしまい、こういうことが難しくなっています。世の中の人すべてが不正をしなければこういう制度は必要ないのでしょうが、一部の人間の不正のために、全員が不便を強いられてしまいます。残念なことですが仕方ないのでしょうね・・・ 

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