2012年 5月の記事一覧

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12年05月31日 08時45分01秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は遺族基礎年金についてみていきました。

今回もその続きです。

前回遺族基礎年金の失権事由を取り上げましたが、今回はそれを整理してみます。

まず妻の失権事由として

①死亡したとき

②婚姻をしたとき

③直系血族又は直系姻族以外の養子となったとき

④遺族基礎年金の対象となる子がいなくなったとき(=すべての子が高校卒業時に該当する等)

次に子の失権事由として

①死亡したとき

②婚姻したとき

③妻以外の者の養子となったとき

④離縁によって死亡した夫と縁が切れたとき

⑤妻と生計を同じくしなくなったとき

⑥18歳に達した最初の3月31日が終了したとき

⑦20歳に達したとき(但し障害等級に該当するもののみ)

です。

次回も遺族基礎年金をみていきます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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12年05月30日 08時40分33秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は遺族基礎年金についてみていきました。

今回もその続きです。

遺族基礎年金は夫を亡くした妻の子の高校卒業までの養育費的な性格を持つことをみていきました。

そのため、ある程度その必要(?)と言えば語弊が出ますが、無くなれば失権します。

例えば子が死亡すれば子が一人のみなら受給権は消滅します。また妻が再婚したり、子が妻以外のものと養子縁組を組むと同じように失権します。その他として妻と生計を維持しないとき又は子自身が婚姻をしたりすると失権します。また子が18歳に達した最初の3月31日に達しても失権します。

ここから見ても子の養育費的要素が強いことが理解できます。

次回もこの続きです。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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12年05月29日 08時43分21秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は遺族基礎年金についてみていきました。

今回もその続きです。

遺族基礎年金はこの養育費的な性格を持っているということは以前から取り上げています。

その対象となる子は前回も見ていきましたが改めてみていくと

①18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあること(=高校卒業時を想定しています)

②20歳前であって障害等級に該当する障害の状態にあること

となります。

ちなみに私も父を中学生で亡くし、母が遺族年金を受給していましたが(父は自営業者だったので国民年金のみ)その当時は18歳に達すると受給権は消滅していました。私は4月生まれ兄は5月生まれでしたので、ずいぶん損をしている感がありましたが現在では①となっており、その辺は解消されている様です。②の障害を持つ子がなぜ20歳までなのかは、20歳に達すると子自身が障害基礎年金の受給権者になるからです。

このように遺族基礎年金は大体高校卒業までの養育費をカバーする的なものであることが分かります。

次回もこの続きです。

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12年05月28日 08時22分48秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回から遺族年金を見ています。

今回は国民年金です。

国民年金の遺族年金は遺族基礎年金と呼ばれます。

そしてこの遺族年金はこの養育費的な性格を持っています。

まずは受給権者を見ていきましょう。

まず第一順位者は「妻」です。「夫」ではありません。遺族年金はこれからも見ていきますが、性別や年齢で大きく受給権者が変化したりします。性別や年齢に関係なく発生する相続とは大きく異なります。単に妻だけでは受給権は発生しません。被保険者(=夫)等であった者と生計を維持し、かつ一定要件に当てはまる子が存在しなければなりません。

その一定要件とは

①高校卒業前の年齢の子又は②一定障害を有する20歳前の子

が該当します。

次回もこの続きです。

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12年05月27日 07時55分21秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は親子の利益相反についてみていきました。

今回から遺族年金についてみていこうと思います。

所謂公的年金において、大きく分けて3つの遺族年金があります。(共済年金は公務員等の特殊な職業の年金ですのでここでは省きます)

国民年金における遺族年金

厚生年金における遺族年金

労災保険における遺族年金

それぞれ性格は少しづつ違っています。

簡単に説明すると国民年金は夫を亡くした妻の子の養育費的性格、厚生年金は労働者が死亡した場合の稼得能力の填補、労災保険は業務上または通勤上被災して死亡した労働者の稼得能力の填補的性格を持っています。

次回はまず国民年金の性格を詳しく見ていきたいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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※藤原司法書士事務所は土日の法律相談にも応じております。

これを機にお悩み事がありましたら、お気軽にご連絡ください。
12年05月26日 09時00分55秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は親子の利益相反についてみていきました。

今回もその続きです。

前回紹介した事件で最高裁は「親権者は子の財産上の地位に変動を及ぼす一切の法律行為につき子を代理する権限を有しその権限を濫用した法律行為を行った場合、その行為の相手方が濫用の事実を知りまたは知り得るべき時はその法律行為は子には及ばない」としながらも「しかし、親権者が子を代理してする法律行為は、親権者と子との利益相反高2にあたらない限り、それをするか否かは子のために親権を行使する親権者が子を巡る諸般の事情を考慮してする広範な裁量にゆだねられているものとみるべきである」と判事し子Xの主張を退けました。

ポイントとしては①親権者が親権を乱用した場合、相手方がその濫用を知りまたは知り得るべき立場にあれば、子には法律効果は及ばない②しかし、親権者の権限は広範であり子の利益を無視して自己または第三者の利益を図ることを目的としてされるなど、親権者に子を代理する権限を与えた法の趣旨に反する特段の事情がない限り親権の濫用には当たらないの2点になります。

次回から少し趣旨を変えて遺族年金を見ていきます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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12年05月25日 08時48分39秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は親子の利益相反についてみていきました。

今回もその続きです。

今回はある事件を見ていきます。

未成年者Xは父の死亡により遺産分割で父所有の不動産を相続しました。父の弟である叔父Dは親子の面倒をみていました。母はそのお礼の気持ちもあり叔父Dが経営している会社の銀行融資の担保としてXの所有する不動産に根抵当権を設定することにしました。銀行側も母がX似代理して締結する根抵当権設定契約はXのためのものではなくXと関係のない叔父Dの事業のためのものであることは知っていました。Xが成人に達するとこの契約は自身のためのものではなく、母の親権の乱用によるものであり、さらに銀行側もそれを知っていたので根抵当権設定契約は無効であるとして裁判を起こしました。

果たしてこの結末はいかに?

次回見ていきます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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12年05月24日 08時56分39秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は親子の利益相反についてみていきました。

今回もその続きです。

親子に利益相反の判断として行為の外形から判断する外形説と行為の実質的な内容から判断する実質説の二つの対立があるとされています。(ここからは実社会というより司法書士試験等の試験対策になってしまいますが・・・)判例は実質説ではなく外形説を採用しています。つまり、外形上しか利益が相反しているかどうかの判断はしないということです。

具体例として親が経営している会社の債務の担保に未成年の持つ不動産に抵当権を設定したとしても利益は相反しないことになります。(親が経営していたとしても会社自体は別人格であるため)

もっとこれを突き止めると親が実質上は自身の借金であるのに未成年の子の名義で借り入れをし、子の不動産に抵当権を設定しても利益は相反しないことになります。(もっとも未成年の子の名義での借り入れに対して貸す方の問題もありますが・・・)

次回は事件と通してこの問題を見ていきます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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12年05月23日 08時40分07秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は親子の利益相反についてみていきました。

今回もその続きです。

さて、前回の例で最高裁は母と未成年の子の利益が相反していることを認めて(さらに成年の子については無権代理人であったことを認めて)母の持ち分のみ移転の効果が有効であることを判事しました。(最判昭和43年10.8)つまりこの持分については無効であると判断をしました。

では、この事例でどこが親子の利益が相反しているのでしょうか?

まず親の借金の担保のために子の持つ不動産に抵当権を設定する行為は典型的な利益相反行為です。(登記もこのままでは通りません)しかし、今回は第三者の借金の担保をする行為です。一見すると利益は相反していないように見えます。実は、母がその第三者の借金に対して保証人になっていたことがミソとなっています。つまり、母が第三者の連帯保証人になっていることで母自身の借金の担保に抵当権を設定しているのと同じような効果がみられ、それで親子の利益が相反しているのと同視できるからこの事件では利益相反行為であるとして無効となったのです。

次回も別の事件で親子の利益相反を見ていきます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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12年05月22日 08時38分17秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は親子の利益相反についてみていきました。

今回もその続きです。

遺産分割において親と未成年の子との利益が相反することが典型例であることは前回観ていきました。今回はその他の例を見ていきます。

未成年者の子の持つ不動産に親が自身の借金の担保として抵当権を設定した場合の効力はどうなるのでしょうか?

夫と協議離婚することになったA女はその際夫の持ち物であった不動産を子供4人と共に贈与を受け、それぞれ持分が1/5づつとなりました。その後A女と知り合いになった医師のためにその医師が負っていた債務に対し連意保証人になり、さらにA女と子供たちが保有する不動産に抵当権を設定しました。(その当時子供は3人は未成年であり1人は成年であったけど代理権を母に与えていなかった)その後その医師が借金を返せなくなったため、抵当権が実行され買受人の持ち物となりました。そこで子供たちは少なくても子供たちの持ち分については未成年者の子の分については利益相反行為であるとして、また成年の子の分についていは無権代理で会ったとして無効であると主張して訴えを起こしました。

果たしてこの結末は?

次回見ていきます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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12年05月21日 08時38分52秒
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前回から親子の利益相反についてみています。

今回もその続きです。

親子が利益が相反する場合は、どのような場合があるでしょうか?

まず典型例として遺産分割の場面があります。

例えば夫が死亡し、妻と子がいた時に子が未成年者であればそのままでは遺産分割協議を行うことができません。例え夫の財産すべてを子に相続させる旨の内容であってもです。このような場合遺産分割を行うことはできないのでしょうか?

この場合家庭裁判所へ特別代理人の選任申立を行うことによって遺産分割をすることが可能となります。特別代理人とは親権者に成り代わり未成年の子のために特別に選任される代理人となります。

また親とだけではなく未成年者の子同士が利益が相反する場合も遺産分割ではあります。その際も子ごとに選任される必要ができています。

次回もこの続きです。

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12年05月20日 09時14分15秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は認知準正についてみていきました。

今回は親子の利益相反についてみていきます。

親子の利益相反とはどういう意味でしょうか?

それは親と子の利益が相反つまり利益が対立している構造です。

親子の利益が対立してると何が問題になるのでしょうか?

子が成人していれば親子の利益が対立していようが、それは単にその親子の問題となりますが、子が成人していない場合、つまり子が未成年であると親には親権が有るので子の包括的な代理人となります。その場合子と親の利益が対立していると親が子の代理権を乱用して子の福祉に反する行為を働く可能性が出てきます。そのため忍法やその他の法律で親の親権を制限する規定を設けています。

次回からその利益相反や法律の規制を見ていきます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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12年05月19日 09時02分44秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は認知準正を見ていきました。

今回もその続きです。

婚外子と父との親子関係を確定するには認知を必要とすることは前回も見ていきました。

ですので仮に真実の父と母が婚姻をしてもそれだけでは父との法定親子関係は発生しません。実はここに落とし穴があり、案外子の認知を必要とすることを知らない方が少なくないのです。父が生存していれば認知自体は可能でその効力は出生前まで遡りますが、認知が必要と知らずに父が死亡すると3年以内に強制認知の訴えを提訴しなければ最早父との法定親子関係を築くことが不可能となってしまいます。(実際にこのようなケースで生前父が認知の必要性に気づいておらず、父の死亡後5年を経過した後提訴して敗訴しています 最判昭和55年12.23)

そうなると当然相続人は変更となります。他に子があれば婚外子を除いた子と母が、他に子がいなければ父の直系尊属と母が、父の著系尊属がいなければ父の兄弟姉妹と母が相続人となりますが婚外子は相続人にはなれません。また遺族年金の遺族の範囲にも含まれません。法律上7はただの配偶者の直系姻族にすぎないからです。

ですので内縁関係にある場合、婚姻が可能でそのする意思があれば出産より早く婚姻届を出さないと場合によって当事者が思いもよらない結果を生んでしまう可能性もあります。

次回は親子の利益相反についてみていきたいと思います。

何とかこのブログも200回続きました。

読者の方、いつも見てくださる方、本当にありがとうございます。

開業してそろそろ1年たちますがまだまだ仕事は順調とは言えませんが

何とか頑張っていきたいと思っています。

これからもよろしくお願いします。



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12年05月18日 08時45分58秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は準正を見ていきました。

今回もその続きです。

婚外子として出生した子が父の認知をうけて、その後父母が婚姻を行うと子は嫡出子の身分を得るのが婚姻準正と呼ばれるものです。

また、婚外子として出生した子が父母の婚姻後父の認知を受けるとやはり同じように嫡出子の身分を得るのが認知準正と呼ばれるものでした。

さて、実はここに落とし穴があります。

実はどちらも父の認知が必要となっています。

つまりとくに認知準正と呼ばれる方は単に父母が婚姻を行うだけでは婚外子は父の法律上の父の子としての身分を得ることができないということです。言い換えれば婚外子と父との親子関係は必ず「認知」を得なければ法律上は発生しないということです。

例えば内縁関係が続行している男女が子供ができたのを機に婚姻届けを提出しようとします。

この婚姻届が仮に子の出生前なら父の子としての一応の身分を得ます。しかし婚姻届が子の出生後であれば父との間では認知がない限り父の子としての身分を得ることができません。

これについては次回も見ていきます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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12年05月17日 08時38分55秒
Posted by: fujiwarasihousy
前回は準正についてみていきました。

今回はその続きです。

準正には2つのパターンがあります。

一つ目は婚姻準正と呼ばれるものです。

父母の婚外子として出生した子が父の認知を受けており、その後父母が婚姻を行うとその子の身分が父母の非嫡出子から嫡出子へと自動的に変動します。これを婚姻準正と呼びます。

もう一つは認知準正と呼ばれるものです。

これは父母の婚外子として出生した子が父の認知を受けていない場合、その後父母が婚姻を行いその後父がその子を認知すると嫡出子たる身分を得ることになります。これを認知準正とよびます。

一つ目の婚姻準正はその党利だと理解しやすいですが、認知準正についてはある落とし穴があると言えます。その落とし穴とは?

次回見ていきます。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



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