取締役1人会社が、新たに取締役と監査役を選任し、取締役会設置会社・監査役設置会社となるときの登記のお話です。

今回の相談は、元々の代表取締役Aはそのまま代表取締役(社長)として存続し、新たに取締役3名と、監査役1名を選任し、新たな取締役の中から代表取締役(会長)を1名選定するというものです。

このとき、元々の代表取締役Aに関してはどのような登記と添付書類が必要でしょう?


代表取締役Aは、取締役が一人なので当然に代表権を持っていたわけですが、
取締役会設置会社となったあとは、全員が代表権を持つ場合を除いて、当然には代表取締役
にはなりません。

ですので、取締役会で代表取締役として選定する必要があります。

では、登記はどうなるか?
これに関してはそのままです。 
Aはすでに代表取締役として登記されているからです。

添付書類は、Aの就任承諾書は必要ですが(不要とする考えもあり?)、商業登記規則61条3項の就任承諾書についての印鑑証明書も不要です。(再任と考えれば当然ですが)

今回は代表取締役2名選定の事案でしたが、代表取締役Aだけが代表権を持つようにする場合も
同様です。 おそらくこの場合の方が多い事例だと思います。

しかし、今回の場合のように新たに代表取締役を増やすときは、新しい代表取締役に気を奪われて、取締役会で元々の代表取締役の選定をうっかり忘れてしまう場合があるのでご留意くださいね。

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