近頃、合間合間に読み進めている一冊の本がある。

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「田中角栄 戦後日本の悲しき自画像」(早野透・著、中公新書・刊、940円)。

コンピューター付ブルドーザーと称され、今太閤ともてはやされた元宰相を、番記者の視点から綴っている。

1972年から1974年の内閣総理大臣在任中、日本列島改造論を唱え、日中国交正常化を成し遂げた同氏。

私が物心ついた頃には既に中曽根康弘内閣が成立し、同氏は脳梗塞に倒れるなど、その実質的な政治活動を目にしていない。

しかし、戦後日本政治史において厳然とした存在感を示し、現在も語り草となっている。

やはり戦後に生まれ、同氏の作り上げた土壌で成長した私としては、その生きざまを知りたく思った。



著者の早野氏は、朝日新聞社勤務時代に田中氏の番記者となり、その後公私にわたっての関係を築いた。

少年時代の記述も、本人から直接聞き、また地元である新潟の支援者などからも取材をしたそうだ。

田中角栄個人の人物像に肉薄し、政治家・人間としての側面が遺憾なく理解できる一冊に仕上がっている。

小学校時代や東京で起業した頃のエピソードから、彼の根底に流れる血潮が浮かび上がる。

その魅力は恐らく直接に関わりを持った人間でなければ正確に伝わらないであろうが、この本からも充分に見て取れる。

金権政治の象徴のように世間からの非難は殺到したが、それは同氏の一面でしかない。

裸一貫から志を持って宰相にまで登り詰めたその生き方に、少なくとも私は惹かれるものがあった。

それに共感していたのは、間違いなく地元である旧新潟三区の有権者たちである。

夢を同氏に託し、同氏は手段はともかくとしてそれに応え、我が国の経済も発展したことは紛れもない事実だ。



虚構にすぎなかったバブル経済が崩壊し、20年余が経った。

経済に引きずられるかのように政治も混乱を極め、外交も閉塞感が漂っている。

安倍晋三総理大臣の再登板により、我が国は光を取り戻すことができるだろうか。

国民が夢を持って生きられる国家ビジョンを描くことができるだろうか。

それには、舵取りを担うリーダーが夢を持っていなければならない。

価値観の多様化はあるが、国民が政治に関心を持てるリーダーシップが欲しい。

田中氏には、それがあったのだと思う。

だからこそ国民は夢を託し、逮捕されてもなおあれだけの人気を誇っているのだ。

今の政治の世界ではどうだろう。

党利党略のために離合集散は絶えず、些末な問題で閣僚の首を取ることの繰り返しだ。

いつからこの国の政治はみみっちくなってしまったか。

この国の行く末を憂うのならば、議員、マスコミをはじめ、国民全体が事の本質を失わぬよう政治を見つめていかねばなるまい。

政治家たる者、毒の一つや二つ持っていても、隣国と渡り合うには丁度いいくらいなのだから。







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