今回は、司法書士の補助者と成年後見業務について書きます。登記業務、裁判書類作成業務については、補助者が活躍する領域ですが、成年後見業務について補助者がどのような役割を果たすかが今回のテーマです。もう少し詳しくいうと、成年後見業務において、市役所の窓口での各種届け出を補助者が(当然に)することができるのか、それとも司法書士(後見人等である本職)から補助者への個別の委任が必要かという話です。

 

私の事務所にも補助者がおり、いろいろな仕事をしてもらっています。補助者の役割(権限)について、その根拠を考えることは、普段はありません。先日市役所の人から質問を受け、改めて調べてみました。

 

補助者に関する法令を捜したところ、司法書士法には規定がありません。法務省令である司法書士法施行規則に次のような規定があります。

司法書士法施行規則

(補助者)

第二十五条 司法書士は、その業務の補助をさせるため補助者を置くことができる。

 

司法書士法施行規則は、「補助者を置くことができる」と定めているだけです。そのうえで、具体的なことは、各都道府県の司法書士会の諸規定で定めているようです。静岡県では、「静岡県司法書士会補助者届出規程」に次のような規定があります。おそらく他県の規定も同様だと思います。

静岡県司法書士会補助者届出規程

(補助者の定義)

第2条補助者とは、司法書士が司法書士法(以下「法」という。)第3条の業務を行うにつき、その事務を補助させるために使用する者をいう。

 

「司法書士法第3条の業務」というのは、一般の方は馴染みのない言葉ですが、司法書士であれば知らない人はいません。ここでは細かい説明を省きますが、ザックリ言うならば、①登記・供託業務、②裁判書類作成業務、③簡裁訴訟代理等関係業務です。つまり、補助者は、これらの業務について司法書士を補助することができます。法務局で、補助者証を提示することにより、登記申請書類を提出したり受領できるのは、上記の規定があるからです。

 

ここまできて、やっと本題の成年後見業務の話になります。

成年後見業務は、上述の「司法書士法第3条の業務」ではありません。成年後見業務は、「司法書士法施行規則31条の業務」ですので、補助者は、補助者であることをもって成年後見業務について、その事務を補助することはできない、と解釈できます。

 

成年後見業務において、市役所の窓口で国保や介護保険の手続きをする機会が頻繁にあります。これらの手続きを補助者がする場合には、司法書士(本職)から補助者への委任状が必要です。

 

私の場合、次のような委任事項を記載した委任状を、その都度、補助者に渡しています。

私が法定代理人(成年後見人)である

成年被後見人  〇〇〇〇  の

後期高齢者医療、介護保険 に関する

各種届出・手続き・送付先変更に関する一切の件

 

 

 

 

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