この登記の始まりは、昭和26年です。農地4筆と家屋番号4番の建物に、長男を含む弟たちと3人の相続がされました。他の20筆は長男の単独相続にしました。この長男が亡くなり不動産全部に対する最初の相続登記が昭和54年にされました。3人の共有不動産も依頼人の父の相続登記がされました。しかし家屋番号4番の共有持分相続を落としました。その後平成17年に依頼人の父が単独名義にする手続に入りました。この時何故か一番大きな農地だけが単独名義になりまして、あとは落としてしまいました。この先生が廃業しなかったらこの仕事は私にはこなかったと思いますね。そして去年の12月に渡した遺産分割協議書がそろいましたので、やっと、ここで全筆閲覧ができました。閲覧のなかに単独名義になった農地が出てきまして、これ1筆で登記内容が全部わかりました。内容は弟は二人とも亡くなり相続していました。当然13年前の単独名義にした時の相続書類があるのではないかと思いまして早速捜していただきました。二人の方は神戸市と豊橋市に住んでおり、相続書類は豊橋の方だけが金庫にありました。神戸市の方のは無く、本人に聞きましたが、貰ってはいないそうでした。相続人は全員生きているそうですので、もう一度集めてもよいそうです。本当に相続は落とすと怖いですよね。ここで私は亡くなった二人の弟さんの単独名義の土地が他にもあるのではないかと思いまして、もう一度税務課に行き捜してもらいました。単独名義はありませんでした。しかし、一度も相続登記をしていない家屋番号4番の建物が出てきました。実を言いますと、私もここで初めて家屋番号4番の建物登記を知ることができました。危うく落としそうになりました。宅地が大きな割には未登記建物が1軒しかなかったから、おかしいとは思いましたけどね。昭和54年の相続書類が必要になりましたので、捜す様に依頼しました。その場ですぐにありますとのことでした。他の二人の相続書類を捜していて、この54年の相続書類を見つけたそうです。この54年の相続書類の太いホッチキス針を悪戦苦闘してはずして、この先生は相続図をコピーせず登記申請をしますので、新しく相続図を作成添付して相続登記を申請しました。単独と共有地と家屋番号4番の相続登記を3件連件で出しました。すると支局から電話がありまして、被相続人の妻が後からなくなっているので、戸籍が足りないよと言ってきました。戸籍を持っていきましたところ、山本職員が「戸籍をはずして別の事件に使ったんだよね」と言われました。私も面白くもないので、「ぶっといホッチキスが二本入っており、簡単にはずれないから54年当時も戸籍がないまま相続登記が完了したんじゃないのか」と言ってやりましたよ。ホンマに廃業した先生よ、あんたは仕事が多すぎるからへまばっかりするんだよ。次の世代のためにもいい仕事をのこしておいてくれ。しかしまあ、とりあえず仕事を増やしてくれてありがとよ。

  はい、勿論、相続2件と単独名義への移転登記はすぐに着手します。

 

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