競売物件を購入するときのお話です。

不動産を競売で落札したとき、すべてを現金で支払えればそれに越したことはありませんが、
銀行など金融機関からお金を借りて競売物件を買いたいときは、ちょっとややこしい問題があります。

というのは、通常、金融機関が不動産の購入費用を融資する場合には、その名義書換(所有権移転)の登記と同時に、その不動産に抵当権や根抵当権等を設定します。

これは、債務者(お金を借りた人)が、お金を返せなくなった場合に、その不動産を競売し、その売買代金から他の一般債権者に先立って優先的に弁済を受けるためです。(これを優先弁済権といいます)

所有権移転の登記と同時に申請しなければならないのは、別の債権者に先に担保権(抵当権など)設定などの登記をされてしまう場合があるからです。


ところが、競売の場合は、所有権移転の登記は裁判所の嘱託によりされるため、通常の登記手続きでは、金融機関の担保権(抵当権など)の設定登記と同時にすることはできません。
これでは、金融機関がお金を貸すことは事実上不可能です。

そこで、「ローン制度」という民事執行法第82条2項による制度は、買受人および担保権者が裁判所に申出し、指定してもらうことにより、司法書士あるいは弁護士が裁判所の所有権移転登記の嘱託申請書を預かることができるのです。
こうすれば、所有権移転の登記と担保権設定の登記が通常の売買などの場合と同様に、同時にできるため、金融機関は融資可能となるわけです。



民事執行法(みんじしっこうほう)第82条2項

 買受人及び買受人から不動産の上に抵当権の設定を受けようとする者が、最高裁判所規則で定めるところにより、代金の納付の時までに申出をしたときは、前項の規定による嘱託は、登記の申請の代理を業とすることができる者で申出人の指定するものに嘱託情報を提供して登記所に提供させる方法によつてしなければならない。この場合において、申出人の指定する者は、遅滞なく、その嘱託情報を登記所に提供しなければならない。

悠里(ゆうり)司法書士・行政書士事務所
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