家族会議。

その言葉の響きに、どこか仄暗さが伴うのは私だけだろうか。

どうも家族の一員に非難されるべき事柄があり、それを議題に糾弾の舞台となるという印象が拭えない。

討論はおろか、意思の伝達さえも覚束ない旧来的な日本人にとって、「会議」と名の付くものに苦手意識を持つ方は少なくない。

まして、共に生活を送る家族間において「会議」とは、余りに仰々しい響きに聞こえるのだろう。

かくいう私も「会議」は避けられるものならば避けたい、という姿勢でかなりの時間を過ごしてきたクチである。



以前にも触れたが、私にも転機があった。

青年会議所に入会したことと、結婚である。

前者では、自身の意見を持って発表することが求められる。

もちろん、当該発言に対する責任も。

後者においては、家庭生活を送るにあたってそれまで他人であった妻に対する責任が生じる。

妻を泣かせるようなこと、また路頭に迷わせるようなことがあってはならない。

そうならぬよう、いくら一緒に過ごす時間が長かろうともそれに甘えず、将来設計を話し合う必要があるというものだ。

だが、恥ずかしながら、そうしたことが夫婦でできるようになったのもこの一年ばかりのところ。

それまでの間は周囲に惑わされ、「自身」を確立できていなかったことが影響していよう。



最も新しい転機は、今年に入ってからだ。

それまで夫婦の間に少なからず波風を立たせていた人物を遠ざけたこと。

結婚してから5年になるが、そのうち4年もの間、あれやこれやといった問題がその人物からもたらされていた。

夫婦間のことが原因でないにもかかわらず、夫婦間に微妙な空気感が漂うというのも奇妙なものである。

無論その人物は、自身の言動が発端で私たちに累を及ぼしていることなど自覚していなかったし、仮に指摘しても決して認めない。

如何に親しき間柄であったとしても、あるべき境界線をまるで無きが如くに乗り越えて来られては堪らない。

常識的対応をしようとしてもいいだけ振り回され、私たちにはグッタリとした疲労感しか残されなかった。

そうしたことが常態化していたからこそ、夫婦間でまともに話し合いをしようとする気力さえも起こらなかったのだ。

事情を知らない友人たちは、苦悩していた私たちの姿を想像できないに違いない。

心底疲れ果てた私は、妻に切り出した。

その人物との紐帯を、きれいさっぱり断つことを。



果たして妻も全く同じ意見であった。

そこで取った行動は、一切の通信の遮蔽である。

接触があるのだから、こちらはその人物に巻き込まれてしまう。

とすれば、携帯電話、メールといった通信ができなくすればよいだけのこと。

私が率先して行うことにより、妻に対する接触も減るであろうと考えての行動だった。

その行動は見事に的中した。

その時点を境に、現在に至るまで夫婦間の平穏は保たれている。

ようやく、6年目にして「当たり前」の結婚生活が戻ってきたのだ。



落ち着いて夫婦の将来像を話し合う。

互いの考えを伝え合う。

嬉しいことを二人で喜び、悲しいことを二人で分かち合う。

そんな心の余裕すらなかった。

それが取り戻せただけで、こうも見える景色が違ってくるものなのか。

我ながら驚き半分といったところだ。

おかげで真剣な「家族会議」もふざけた「ごっこ」もできるのは本当に幸せなこと。



人間、一度手に入れたものを失うことに対しては極めて臆病になるものだ。

物に対する物欲、人に対する執着である。

しかし、今一度落ち着いて考えることが重要なのだと私たちは学んだ。

あるものを失うことと、思い切って捨て去ることによって新たに得られること。

両者を比較考量してみるのも時として必要なことなのだと。

周囲から見れば情のない人間として映るかもしれない。

だが、私たちにすれば悩んだ末の解決策として出した結論に他ならない。

その人物に執着を持ち続けていたならば、私たちがあるべき私たちへと戻ることは不可能だったろう。

一般的常識に捕らわれすぎて自分を殺すあまり、自分の精神を病むとは非常にもったいないことだと思う。

一度そうした軛(くびき)から自由になることができれば、異なる世界が眼前に広がるはずだ。

自分が幸福でないと嘆く人は、自らを不幸の縁へと追いやってしまっていることもあるに違いないと感じる。

様々な制約や固定的観念から自身を解放してみることも、時としてあっていい。

雁字搦めになり溺れたところで、再び浮上する力を失ってしまっていては遅きに失することになる。



とはいえ、「家族会議」の結果は常に円満に終わるとも限らないもの。

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夏に購入したヤマザキナビスコのチップスター・京七味。

七味の辛味のみならず、山椒の香りが鼻をくすぐる興味深い一品。

稀に辛い結果ともなるし、はっきりとした結論を出せずじまいで終わることもある。

人間なのだから、それもまたよし。







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