「漱」。

現代においては夏目漱石の名に用いられるくらいで、とんと人目に触れることのない漢字。

訓読みで、くちすすぐ、と読む。

言わずもがな、水などで口を洗い清めることである。

この語を用いた故事成語に、「石に漱ぎ流れに枕す」がある。

意味としては、負け惜しみが強いこと。無理にこじつけて、自分の説を通そうとすること。

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以下のような故事が元で誕生したと言われる。

『中国晋の孫楚が、本来なら「石に枕し流れに漱ぐ(俗世間を離れ、人里離れたところで自由に暮らす)」と言うべきところを

「石に漱ぎ流れに枕す」と言い誤ってしまったとき、友人の王済にからかわれた。

すると負けん気の強い孫楚は、「流れに枕するのは俗事を聞いて汚れた耳をすすぐためであり、石に漱ぐのは歯を磨くためだ」とこじつけた』

(出典:故事ことわざ辞典)

ちなみに、「漱石」の号は、正岡子規が用いていたものを譲り受けたのだそうだ。



他者の発言の揚げ足を取るというのも大人げないと言えようが、受け流せないようでもまた困る。

どころか、自説を無理に押し通して誤りを認めようとしない態度は決して褒められたものではない。

そのような人間に相対したとき、ほとんどの人は呆れるか、相手にしないかのどちらかであろう。

近頃の中央政界を巡る与野党のさや当てにしても、私人間のトラブルにしても変わらない。

小事を針小棒大に取り上げ、事の本質を有耶無耶にせんとする輩が多くなっているように思う。

他愛のない昔日のやり取りであるならばともかく、立法府や権利の得喪の絡む局面においては笑うに笑えまい。

時代が下った現代の世情を孫楚や王済、そして漱石先生はどう見ているだろう。







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