今から15年前の12月6日、祖父が旅立った。

私が高校を卒業し、法律の勉強をするために実家を離れた年のこと。

1~2年ほど前から老衰で体が弱り、時折入院していたりしていた。

満年齢で88歳。

世間的には寿命であり、大往生というところだろう。



不思議なことに、祖父が亡くなる一週間ほど前から私の体に予兆のようなものが起きていた。

一日を終え床に就くと、決まって胸のあたりに「ズーン」という感覚を覚えた。

まずは不安に苛まれた。

自分の体が悪いのではないか。

午前2時ころまで起きていたため、体に負担がかかっているのだろう。

無理をしないで早めに休むようにすれば、こんな現象も起きないだろう。

そう考えて少し早く休むように心がけたが、毎日その奇妙な感覚は襲ってきた。

寝る前以外は不調を感じないのに。

疑問を感じつつも一週間が過ぎ、その土曜日はやって来た。



平成9年12月6日。

朝、10時ころだったと記憶している。

実家からかかってきた電話に出ると、祖父の死を告げられた。

死因は老衰による心臓肥大と循環不全。

私が不調を覚えた個所と符合していたことに驚いた。

数週間前から入院をし、術後固形物を摂ることができるようになるはずの日のことだったという。

とるものもとりあえず、身支度を整えて帰郷した。



祖父の顔は、安らかだった。

老衰ということもあって、ほとんど自然死だったということだろう。

惜しむらくは、その最期を迎えたのが実家ではなく、病院だったということ。

明治に生まれ、旧制中学に進みながら、弟のために中退して就職した祖父。

戦後を迎え、祖母と結婚して伯母と母とをもうけ、家族のためひたすらに働いた。

伯母は子宝に恵まれず、母が生んだ子も私一人。

私はただ一人の孫だった。

それだけに、私の行く末を気にかけ、不器用ながらも愛情を注いでくれた人だった。

一緒に書店まで本を求めに行ったことや、戦時中の体験を語ってくれたことなどを今も思い返す。

子どもの頃、その存在の大きさは知る由もなかったが、今になって実感するのだ。

それは、私も妻と結婚して家庭を持ち、「愛情」をもらったから。



結婚してからは、妻を伴って命日に墓参りをする。

もちろん、今年も。

妻は言う。

「あなたが大事に思うご先祖様は、私にとっても大事な存在」と。

そう思ってくれる妻に感謝している。

実際に会ったことがなくとも、大事に思ってくれてありがとう。

祖父も空の上から私たちを見守ってくれているに違いない。

「孫をよろしく頼むね」と、妻に呼びかけながら。







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