債務整理とは、何をやることなのか。

一言で言えば、依頼人が借金を支払えるか否かを判断し、支払えるならば相手方と交渉して支払い条件を変更し、支払えない場合は裁判所の手続きを通じて借金を処理することです。

そのためには、

1 依頼人の正確な借金の残高の調査・計算
2 依頼人の支払い可能額(原資)、財産の調査・確認
3 1,2より導かれた手続きに対する依頼人の同意

が、必要になります。

借金が払えるか否か、これは単純に数字の問題であるはずです。
ですが、実際の債務整理の現場では必ずしもそうではありません。
以下のような依頼者の行動があり、代理人に依頼者の「数字」が見えなくなることがしばしばあります。
しかし、最終的には依頼人の利益を損なうことになる行動なので、代理人としても注意深く見る必要があります。

1に関しては、依頼人が借金を隠す場合があります。
これは、依頼人の身内や連帯保証人、世話になった人に対する借入の返済を、他の貸し手より優先して支払いたいという気持ちから起こることが多くあります。
また、支払うインセンティブが強く働くもの、依頼者にとって有益な物に対する支払いもよく隠されます。
典型的には車のローンや医療保険、給料の前借りです。
あるいは、貸し手に対する恐怖心(支払わなければ何をされるかわからない)から言い出せないこともあります。ヤミ金等からの借入です。

2に関しては、支払い可能額の多めに言う方と、財産を隠匿される方がいます。
破産を回避したい依頼人が、支払い可能額を多めに言うことは頻繁にあります。
また、支払い可能額について代理人から聞かれた際に、虚栄心からかつい多めに答えてしまう傾向にある依頼人もいます。
財産を隠すことは比較的少ないように思いますが、法的整理を行う際は注意深く確認すべき点です。

3に関しては、債務整理の方針を伝えた後に起こります。
とりわけ破産の場合に多く、破産以外に選択肢がない旨伝えると、2の数字は誤っておりもっと多く支払うことができる、と言われることがあります。
仕事を増やす、と言われることが最も多く、代理人としても未来のことはわからないので、ズルズルと方針の決定が遅れる原因になります。

数字の把握は債務整理の入り口ですが、以上のような理由から、なかなか難しい場合もあります。
依頼者の家計簿だけでなく、通帳等の資料を収集し、面談を重ねながら数字の把握に努めることになります。

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