一昨日の6月25日,京都のグランドプリンスホテル京都のプリンスホールにて,第19回クレサラ実務研究会が行われました。
午前10時から午後5時半まで,休憩は昼と3時に20分ずつのみの強行スケジュールはクレサラ実務研究会伝統のようです。
非常に内容の濃い研修会でした。印象に残った順にブログに紹介していきたいと思います。

午後一番で,分断の主張に対する反論として,茆原洋子先生より講義がありました。
取引の中断期間が一年以上ある場合に,裁判官が取引の分断を認めてしまう例が後を絶たず,それによって認定された第1取引の終了時から消滅時効が進行し,事案によっては過払い債権が時効消滅する点が大きな問題であり,それに対する対策が中心になっていました。

要旨としては,取引の中断期間の長短は,顧客が一旦債務を完済してから次に資金需要が生じて借り入れるまでの間であり,偶然の事情とも言えるその長短によって取引が一連かどうかを判断するのは非論理的である。
この理屈で考えたとき,取引の中断期間が1年を過ぎた頃に借入を再開したとすると,その時から遡って一年前の一旦債務を完済したときから消滅時効が進行することになる。
権利の上に眠る者を保護しないとする消滅時効の趣旨からも乖離している。

時間が限られており詳細な説明は割愛されましたが,配布された資料が凄くしっかりしている(大正時代からの判例から網羅されている)ので,じっくり検討して訴訟に用いていけそうです。

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