09年06月13日
親子2代住宅ローンの落とし穴
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)は、返済期間が最長50年で、その間の金利を一定にできる超長期固定型住宅ローン「フラット50」の新設を発表した。寿命が長く資産性の高い住宅の取得を促すのが狙いで、長期返済によって月々の負担額を低く抑えることができ、親子2代での返済も可能としているのが特徴。ローンの対象は、劣化に強い「長期優良住宅」(200年住宅)に認定された一戸建てやマンション。融資上限は建設費か購入額の6割で、残り4割は「フラット35」で借りることができる。
この制度、一抹の不安を感じるのは私だけであろうか。当然、200年住宅の建設費は、これまでよりもかなりコストがかかるため、当然価格は高くなるだろうし、また、200年の間、全く手入れしなくていいものではなく、やはり、こまめに手入れ、リフォームをしていかなければならない。その都度リフォームローンを組むことにもなってくるだろう。親子2代とは言うけれど、果たして子供が将来も同じ家に住み続けてくれるのだろうか。今はいいけれどライフスタイルが変化する10年後、20年後は大丈夫か、親子(嫁姑)は仲良く同居していけるのか。当の本人も予想できないのではないか。それでも50年ローンだけは続くのである。何とも危険な制度では無かろうか。政府も景気刺激策のつもりだろうが、もっと将来のことを考えてほしい。
そういえば過去にも付け焼き刃的な政策で、社会問題化した悪政があった。そう、ゆとり返済・ステップ返済だ。
93年、94年バブルの崩壊により、政府は景気対策として、住宅金融公庫のゆとり返済・年金住宅融資の・ステップ返済という制度を編み出した。ゆとり返済・ステップ返済とは、最初の5年間の返済額を極端に少なくして6年目以降に返済額が増加するタイプの住宅ローンで、最初は通常よりも月々の返済額が少なくて済むことから、収入が少なくても容易に借りられることができることも手伝って、若年層を中心に、多くの人に利用された。終身雇用・昇給に加え、6年後は自分も役職にもついているだろうから、多少返済額がアップしても返していけるだろう、との甘い考えで住宅を購入する人が激増、公庫の融資残高が11兆円も増加したほどだった。ところが不況が続き、終身雇用が崩れ、昇給どころか、賃金カット・賞与カット、最悪はリストラといった、社会の雇用情勢は大きく変化することになった。すると、返済不能者が続出する結果に。たとえば、融資額約2900万円、返済期間25年、金利年約4%の場合、当初5年間は月10万8000円で済んだ支払いが、6年目から17万6000円と一気に1.62倍に増えることになったのだから、たまらない。気づいた政府はこの政策を2年で打ち切ったが後の祭りであった。繰り延べ救済策を出したが、一定条件が満たせない人も多く出た。民間の金利の低い住宅ローンに借り換えできた人はいいが、減給・リストラされた人は借り換え審査が通らず、結局、払いきれずに自己破産する人が多数出た。当事務所でも何件か扱った。
住宅を買う人は、よほどの自己資金を入れない限り、今後の地価上昇が見込めない世の中にあっては、購入後、即オーバーローン(ローン価格が資産価格を上回ること)となることを肝に銘じ、慎重な生活設計を立ててから購入すべきだろう、国の政策に飛びつく前に。その時(返済不能)になっても、国は助けてはくれないのだから。
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この制度、一抹の不安を感じるのは私だけであろうか。当然、200年住宅の建設費は、これまでよりもかなりコストがかかるため、当然価格は高くなるだろうし、また、200年の間、全く手入れしなくていいものではなく、やはり、こまめに手入れ、リフォームをしていかなければならない。その都度リフォームローンを組むことにもなってくるだろう。親子2代とは言うけれど、果たして子供が将来も同じ家に住み続けてくれるのだろうか。今はいいけれどライフスタイルが変化する10年後、20年後は大丈夫か、親子(嫁姑)は仲良く同居していけるのか。当の本人も予想できないのではないか。それでも50年ローンだけは続くのである。何とも危険な制度では無かろうか。政府も景気刺激策のつもりだろうが、もっと将来のことを考えてほしい。
そういえば過去にも付け焼き刃的な政策で、社会問題化した悪政があった。そう、ゆとり返済・ステップ返済だ。
93年、94年バブルの崩壊により、政府は景気対策として、住宅金融公庫のゆとり返済・年金住宅融資の・ステップ返済という制度を編み出した。ゆとり返済・ステップ返済とは、最初の5年間の返済額を極端に少なくして6年目以降に返済額が増加するタイプの住宅ローンで、最初は通常よりも月々の返済額が少なくて済むことから、収入が少なくても容易に借りられることができることも手伝って、若年層を中心に、多くの人に利用された。終身雇用・昇給に加え、6年後は自分も役職にもついているだろうから、多少返済額がアップしても返していけるだろう、との甘い考えで住宅を購入する人が激増、公庫の融資残高が11兆円も増加したほどだった。ところが不況が続き、終身雇用が崩れ、昇給どころか、賃金カット・賞与カット、最悪はリストラといった、社会の雇用情勢は大きく変化することになった。すると、返済不能者が続出する結果に。たとえば、融資額約2900万円、返済期間25年、金利年約4%の場合、当初5年間は月10万8000円で済んだ支払いが、6年目から17万6000円と一気に1.62倍に増えることになったのだから、たまらない。気づいた政府はこの政策を2年で打ち切ったが後の祭りであった。繰り延べ救済策を出したが、一定条件が満たせない人も多く出た。民間の金利の低い住宅ローンに借り換えできた人はいいが、減給・リストラされた人は借り換え審査が通らず、結局、払いきれずに自己破産する人が多数出た。当事務所でも何件か扱った。
住宅を買う人は、よほどの自己資金を入れない限り、今後の地価上昇が見込めない世の中にあっては、購入後、即オーバーローン(ローン価格が資産価格を上回ること)となることを肝に銘じ、慎重な生活設計を立ててから購入すべきだろう、国の政策に飛びつく前に。その時(返済不能)になっても、国は助けてはくれないのだから。
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09年06月13日12:20:16 |
Category: General
Posted by: sakumaoffice



