この話は平成の話です。今の事務所の時代の話になります。私のブログの中のNo107の第一話の中に出てくる「しっかり者の娘」の妹が嫁いで行った先の相続登記にまつわる話です。妹さんは後妻にはいりました。先妻の方は死別か離婚で別れたかは分かりません。先妻の方の子が一人いました。その子は農家の跡継ぎのお嫁さんになりました。
 この相続は最初他の司法書士の先生に頼みましたが、やはり前に進まなかったので、しっかり者の娘さんが私のところに持ってきたものです。最初はこんな相続は難しいものではないと思いました。必要な相続書類は先妻の子一人だけの分だけですからね。話をすればすぐにまとまる話だと思いました。私もとりあえず電話しました。先妻の子が電話に出るのですが、そのそばに旦那が付きっきりになり、隣でぼそぼそと話をするのです。要するに、お嫁さんに相続書類に印鑑を押すなと言っているのです。この旦那さんは、相続財産が欲しいのですかね。お嫁さんは旦那さんが亡くなれば、その家の農家の全財産が入るのですから、なにも後妻が相続で貰う父親のちっぽけな財産など、全く必要ないと思いますが、細かい事を言っているのです。本当に困りました。私もこの男の腹の小ささに腹が立ちました。はっきり言って、お前には関係ない話だろうと思いました。小さな宅地と建物を後妻に入った女性に渡すだけです。後妻の方が、農家に嫁いだ娘の父親が病死で亡くなるまで全て面倒を見ており、財産を相続するのは当然のことだろう。すぐに相続の書類に実印を押してやれと言うのが男の甲斐性だろう。私が旦那ならば相手の未亡人になった後妻の事を思い、すぐに実印を押して相続書類を渡すようにしますよ。しかしこの男は違いました。2、3回電話しましたが、その度に電話のそばで、ぼそぼそ言ってるのです。私もこんな事は初めてです。こうゆう話ではむしろ女性がしっかりしていて、女性の方が表に出てきて、色々調べて自分で判断するのですが、この女性の家庭は全部旦那が決めるのでしょうか。結局話がまとまらず、時間だけが経ちました。それから数年経ちました。その旦那さんは近くの病院へ入院することになりました。病名は分かりませんが、「すぐ退院するからお見舞いにこなくてもいいよ」などと言っていたそうです。ところが入院してすぐに亡くなってしまったそうです。病気のことも手術したかどうかも分かりませんが、とにかく、あっという間に亡くなったそうでした。義父の逆鱗に触れてしまったのでしょうか。私もこの夫婦の色々な話を聞いていましたので、私も実はこの旦那に対してかんかんに怒っていました。それからしばらくして相続書類に実印を押して印鑑証明書を貰ったそうです。去年後妻の女性が、私の事務所にこられましたが、色々あってまだ相続登記は頼まれていません。色々ごたごたがありましたので、印鑑証明書などの相続書類を無くさないかそれだけが心配です。



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