多重債務相談者の中には、債務整理をした方がよい状態であるのにもかかわらず、債務整理に踏み切れないという方が多くおられます。

債務残高は多いけれども、任意整理をすれば現在よりもかなり楽に返済していける方、住宅ローンがあるけれども、住宅資金特別条項付きの再生手続きをすれば、住宅を手放すことなく返済が可能となる方など、債務整理された方がよいのでは、というような状態の方なのですが、どうも手続きに踏み切れないようなのです。

理由をお聞きすると、信用情報にキズがつくのを恐れているとか、保証人に迷惑をかけたくないとか、いろいろな事情があります。これらの理由の中で、その理由は問題がある、という№1のものがあります。それは、「家族に内緒にしたいから」というものです。

「夫に知られたら間違いなく離婚と言われる」
「妻には内緒で、とても言えない」

いままでに、何度もこのような方がおられました。

もちろん、我々司法書士は、家庭の事情には踏み込むべきではないでしょうし、本人の判断におまかせするしかりあません。

しかし、いままでにこのようにおっしゃっていながら、後に結局はバレてしまうということが結構ありました。一緒にひとつの家計で暮らしていながら、相手に多額の借金を隠し通すというのは、なかなか大変なことで、どこかに無理が生じることが多いのです。

そうなると、自分から進んで借金を告白されるのと、ずっと隠していたことがバレるのでは、相手の印象は全く違います。

また、借金の問題は、家計に問題がある場合が多く、家計の改善は家族みんなで考えないといけないことです。夫だけ、妻だけががんばっても、効果は薄いです。みんなで頑張るためには、まずは現状を明らかにしなければいけません。

ほんとうに、家族には隠したままで、家計の問題点について何の検討もしないまま債務整理するのがよい方法なのかどうか、考えてみる必要があると思います。
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