前回は被相続人の意思による相続資格の剥奪「廃除」の手続きを説明しました。

今回は遺族年金の受給権消滅自由について説明します。

ちなみに「廃除」は被相続人の意思によって撤回も可能です(但し家裁への申し立てが必要)。



遺族年金は亡くなられた方の収入によって生活していた一定の遺族についての生活費の補てんが主な目的です。そのため、亡くなられた方が死亡しなければ同様の生活をしていただろうという形が必要になります。つまり、配偶者に関しては再婚(事実婚も含む)が受給権の消滅自由ですし、子・孫については高校卒業年度末の年齢に達すれば(但し一定障害を持つ場合を除く)受給権の消滅自由です(さらに婚姻をすると消滅します)。さらに父母、祖父母については亡くなられた方の死亡時に一定の年齢に達していなければ受給権そのものが発生しません。また、同じ配偶者でも「夫」と「妻」ではかなり取り扱いが異なります。まず「妻」に関してはほとんど制限がありません(但し子のいない若年の妻には遺族基礎年金は一定期間しか受給されない)が、「夫」に関しては労災・厚生年金の遺族年金は父母等と同様一定年齢でなければ受給権が発生していませんし、遺族基礎年金に関しては遺族の範囲外となっています。つまり「夫」は、現役世代なら補てんは必要ないだろうとの考えらしいですがかなり現状との違和感を感じます。

実際にこの夫妻との差が憲法違反にあたるとして先月大阪地裁で提訴されました。

(http://mainichi.jp/kansai/news/20111020ddn041040021000c.html  ※リンク切れの可能性もあり)

私の私見ですがおそらく憲法違反と判断される可能性はあると思います。今後も注目です。

もちろん相続に関して遺族年金のように年齢や性別により相続権が変化することはありません。

次回は代襲と転給の違いを説明します。

ここまで読んでいただきありがとうございます。



藤原司法書士事務所

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