2 自分または配偶者が再婚していたり、婚姻外に子供がいる場合

 

俗な言い方をすると、前妻の子やいわゆる「隠し子」がいる可能性がある場合です。

「前妻との間に子供はいる。でも、離婚したときに前妻が親権を取って籍も抜いている。今はどうしているかも知らないし、関係ないでしょう。」と言われるお客さまがたまにいらっしゃいます。そんなことはありません。

夫婦の縁は離婚によって解消できますが、親子の縁は血縁ですので切ることはできません。

 

養子縁組の場合は離縁で解消できますが、その場合でも、ご本人が亡くなった後で、諸々の理由で養子とその他の親族との関係は断ちたい(あるいは親族の方から断って欲しい)とのことで、裁判所の許可を取って離縁することができますが、その場合も、相続はご本人が亡くなった時点が基準ですので、その時点で養子であるなら、その後に離縁しても相続人となりますので、遺言がなければ、相続人の方々はその方も含めて遺産分割協議をしなければならなくなります。

 

ただ、申し上げたいのは、前妻の子供さんとか配偶者さんとの間の子供さんを排除するために遺言を作れと言いたいわけじゃありません。

人は必ずいつかは死を迎えます。その時が来たときに、そういう方々も含めた上で、自分の財産をどうやって次の世代の方にトラブルなく引き継がせるかを考えて、お元気なときに遺言という形で決めておいていただきたいということです。その結果、それなりの理由があって一部の相続人の方には引き継がせる財産がない様な遺言を作られるのなら、あとは遺留分の問題が残ることになりますが、それはご本人の立場から言えばやむを得ないことかも知れません。

 

では、配偶者が再婚の場合になぜ、遺言を作った方が良いのかというと、私の経験なのですが、例えば、子供さんから「5年前に父が亡くなったので相続登記をしたい。」という相談がきたとします。で、相続関係を聞くと「妹は一人いるが、もうお嫁に行って特に財産はいらないと話はついている。」と答えがきて、「じゃあ、お母さんは?」と聞くと「実は母は先月亡くなって、しばらく父の相続はほっといたんだけど、良い時期だと思い立ちました。」とくるわけです。

このパターン、実に多いです。

でも、これは落とし穴があって、相続は亡くなった時点が基準ですから、お父さんが亡くなった後でお母さんが亡くなったわけですので、お父さんが亡くなった時点で、手続をしようがしまいが、お母さんと子供さん2人で相続していることになります。そしてその後にお母さんが相続した分についてさらにお母さんの子供さんが相続することになるので、同時並行ではありますが、2つの相続手続をしなければならないことになります。

この事案で、もし、実はお母さんはお父さんとは再婚で、前婚で子供さんがいらっしゃったら・・・

つまり、相談に来た相続人の方と、そのお母さんの前婚の子供さんとは、法律上は母を同じくする兄弟ですが、私の経験上、会ったこともない、存在自体を知らなかった。という状態であることがすごく多いです。

この場合、遺産分割協議どころか、連絡するのさえ相当な勇気が必要になると思います。そして、場合によっては、お父さんもお母さんが再婚だくらいは知ってるでしょうが、子供がいたまでは知らなかったというのも考えられないことではないと思います。

お母さんが再婚で、こういう事態が想定されるのであれば、最終的に長男さんが相続するとか、ご本人(お父さん)がお元気なうちに決めていて、それにお母さんやお子さんも異議がないのであれば、遺言を作っておくことで対処できることだと思います。

もちろん、この事案の場合は、遺言がなかったとしても、お父さんが亡くなった段階で放置せず、お母さんがお元気な数年間の間に、お母さんと子供さん2人で遺産分割協議をして相続手続を進めておけば問題はなかった訳ですので、相続はどんなに単純なものでも、その代のうちに処理して、次の代の相続に持ち越さない様にすべきだと思います。現時点では放置しても罰則はありませんがやはり危険なことかもしれません。

 

***次回(5月12日更新予定)に続きます***

 

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