3ヶ月ぶりのご無沙汰をしております。

アリマツです。

お陰様をもちまして、本日で司法書士有松太事務所は開業20周年を迎えることができました。

花輪も何もありませんが、開業時も花輪も何もなくヒッソリと始めた事務所です。何もしなくても初心に帰れると思えば一興な気がします。

まったくもう、最初から青息吐息の潰れかけの事務所のまま、よく20年も続いたものだと我ながら驚いております。

これも、この20年間にお仕事やプライベート問わず、出会ってきた様々な皆様方のお陰だと心から感謝しております。本当にありがとうございました。

融通が利かず、勉強不足で能力の足りない私ではありますが、気に入っていただける方は、これからもお付き合いの程よろしくお願い申し上げます。

 

さて、ごあいさつはこれくらいにして、本日のネタですが、最近、「空き家問題」とか「所有者不明地」というワードをニュースで時々目にします。

典型的なのが、所有権の登記名義人は既に亡くなって相続登記がされていない物件のことですね。

遺言がないのはもちろん、相続人間の仲が悪いとか・一部行方不明とかで遺産分割協議が整わないとか、そもそも相続関係が複雑で相続人が誰なのかわからんとか、理由は様々です。

ただ、そんな状態でも判明している一部の相続人が動けば、あるいは公共事業の用地買収とかの必要性で買収する自治体等が「債権者代位」という方法で、法定相続分での相続登記は可能です。

 

例えば、被相続人(亡くなった方)がAさんで、相続人が子供だけでBさんCさんDさんの3人だとすれば、法定相続分はBCDさん各3分の1ですが、Dさんは自分の3分の1の持分を登記する権利があるわけですが、法律上自分の分だけ登記することはできず、BCDさん全員の持分を登記しなければいけなくなります。逆に言えばBCさんが協力しなくてもDさん一人の申請で全員の持分各3分の1を登記することができます。

共有とは言え、BCさんがいなくても生きてる人の名義にできるのですからメリットは大きいですが、デメリットも結構あります。

この例え話の場合には、BCさんがまったく知らない所で、法務局に自分の名義が登記されるわけですから、BCさんにしてみれば、なぜ自分が関与していない所で自分の名義が登記されるのかわからない場合もありますし、突然Bさんのところに固定資産税の納税通知書が送られてくる可能性があります。これが大きな金額だったりすれば、とんでもない兄弟げんかに発展する可能性もあります(法律的には、税金ですので、誰か一人の名義にしない限りは登記しようがしまいが、相続人全員で連帯して払わないといけないんですけどね)。

実際、私のところにも、この例え話に当てはめればBさんの立場の方から、「自分が依頼したわけでも委任状を書いたわけでもないのに、なぜ勝手に自分の名義が入れられるんだ!」といったものすごい激しい口調で苦情を言われたこともあります。ただ、法定相続分での相続登記はDさんの正当な権利ですから、Dさんに依頼されれば引き受けざるをえませんし、「こんな物件欲しくなかったのに」と苦情を言われてもこちらではどうしようもないという結果になります。

 

もうひとつのデメリットが、登記識別情報(昔で言うところの権利証)の問題です。

登記識別情報は、登記名義人で且つ申請人に物件ごとに発行されることになっています。

ですから、上記の例え話の場合、Dさんには持分3分の1の登記識別情報が法務局から発行されますが、BCさんは登記名義人ではありますが申請人ではないので発行されないことになります。

債権者代位で登記された場合には誰にも発行されないことになります。

「後から申し出れば発行される」なんて制度もありません。

ですから、Dさんが独断で各3分の1づつで相続登記をして、その後兄弟3人でその物件を売ろうとした時に、権利証が無い状態で売買の所有権移転登記を法務局に申請なり司法書士に依頼なりしなければいけないことになります。

3人で兄弟で連絡取り合えるくらいの仲ならいいですが、大概、こういう場合、相続人が何十人にも膨らんでるとか、兄弟間でとりつく島もないような険悪な仲だったりしますので、司法書士の場合であれば全国に散らばる何十人もの本人確認情報をどうするかと考えると、大変な労力と費用が掛かると思います。

公共事業で、債権者代位の後すぐに買収される様なものなら役所が全部やっちゃうから良いかもしれませんが、差し押さえの前提として登記が入れられて、借金払って差し押さえが取り下げたといった事案なら、その後、売っちゃおうと思っても大変な苦労をするかも知れませんね。

 

そういう意味でも、人の人生1回分くらい放置されている物件くらいは簡易に処理できる法整備ができても良いのではないかと個人的には思うこともあります。

 

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