明けましておめでとうございます。

昨年は下半期ブログを放置しましてとうとうこのようなご挨拶になってしまいました。
SNS(FaceBook)はちょこちょこ投稿していたのですが、ブログとなると多少ネタや文章を考えないといけないと思ってしまい、つい遠のいてしまいました。
本当に申し訳ございません。
あと、もう一つ言い訳させていただきますと、かれこれ10年間勤めさせていただきました福岡県司法書士会筑豊支部研修部長を5月の任期満了をもちまして退任することになりまして、現在、後任予定の方への引継ぎのため、かなりせわしなくさせていただいております。
 なんとなく最近の司法書士が何かを辞めるというと「なんか不祥事でも起こしたのか?」と思われそうですが、別にそういうわけではなく、一つは筑豊支部の別の役職に行って欲しい打診があったことと、私自身は研修部が好きなんですが(仕事していると本当にわからないことだらけだし、それを勉強する機会を企画する部署ですから)、さすがにその部長を10年もやっていると、私の考える事業で固定化してしまい、いい加減新しい風を入れないと、うちの研修部だけ時代に取り残されてしまう危機感を覚えて、いったん身を引かせてもらうことにしました。
自分でいうのも何ですが、研修部長って結構ハードな役職でして(やり方にもよると思いますが)、10年もやってる人は、少なくとも福岡県司法書士会では私だけだと思いますので、そろそろね・・・

さて、私の言い訳ネタはそれくらいにして、仕事ネタを。
新年早々相続ネタというのもどうかと思いますが、相続は司法書士業務の柱と言っても良いくらい日常的で、しかも人様の人生ですから一つとして同じパターンのない奥の深いテーマですのでご容赦を。
相続というのは、被相続人が亡くなられたと同時に法律上当然にその財産(資産&負債)を相続人に引き継がせる制度ですが、そうは言っても借金ばかりを引き継がされてはたまりませんし、家族間のトラブルとかでこの人の財産なんか相続したくないと思う人もいるかもしれませんから、3か月以内(起算点は「自己のために相続が開始されたことを知った時から」となりますが)であれば、家庭裁判所に申述することで相続を放棄することができます。
相続放棄をすると、最初から相続人でなかったということになりますので、資産も負債も相続しないことになります。
逆に放棄せずに3か月を経過したとか、それ以外にも一定の行為をしてしまうと、もう法律上相続放棄等をする意思はないとみなされて、相続しなければいけないことにあります。
これを「法定単純承認」と言いますが、この中に「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき」というものがあります。
まあ、こういうことをすると放棄できなくなると、なんとなく知っている方は多いと思います。
これって結構、厳密に読むと厳しいんですよね。

私の所でも、時々相談されて首をかしげてしまうのは、葬式代と被相続人が亡くなるまでの入院費や治療費です。
この二つの請求は、ほぼ必ずと言って良いほど亡くなってすぐに発生します。
そして、相続人の方々も普通に被相続人の蓄えから払うことが多いと思います。特に葬式代は金額が大きいと思いますから自分の財布からすぐに右から左は難しいですから。
でも、よくよく考えると、葬式代は被相続人が「お亡くなりになってから」バタバタとは言え準備して開催してお代を請求されるものですよね。
入院費もそうです。ご健在の間に行った治療費を亡くなった後に精算して請求されます。
これを、被相続人の財産から払えば、亡くなった後ですから、相続人が払うべきものを被相続人の財産で支払ったわけですので、「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき」にあたると思います。
ただ、入院費については、治療されている時に既に治療費は発生してて請求のタイミングが亡くなった後になっただけと考えることもできますが、その場合、被相続人に多額の借金がある場合には結果的に不公平な返済になったり、治療費の債務の承認ですから時効を中断させているということになりますから、結局法定単純承認にあたると思います(私見です)。
で、話は戻りますが、葬式代と入院費については下級審では過度に豪華な葬儀でないとか、総合的に判断して軽微というか保存行為の域だという場合には法定単純承認にはあたらないという判断や説もあるようですが、最高裁判例がある訳ではないようです。
それに、線引きも曖昧ですので、そういう判断があるから大丈夫だと考えるのはかなり危険だと思います。

で、それに関連して、必ず相談されるのは、これらの支払いを被相続人の預金をキャッシュカードで引き出し、或いはその預金を解約して支払ったというパターンです。
 すごくよくあることだと思うんです。「亡くなったと銀行に届け出たら、直ぐに口座を凍結されるから、それじゃあ葬式代も払えないってなもんで、バタバタその日から50万ずつ数日かけてキャッシュカードで全額引き出して事なきを得た」なんて自慢話を本当に良く聞きます。
相続放棄をする気もなく、相続人間で話がついている様な場合は、司法書士的には話を聞いて苦笑いする程度ですが、相続放棄をする前提でこれをやるのは、私見ですが、かなりまずいと思います。
亡くなった後の被相続人の名義の口座から出すわけですから、用語として知らなくても本人の財産に手をつけるという認識がありますし、預金が現金になった時点で一旦どうとでも使える「お金」になっちゃいますから、例えば、入院費で請求書のピッタリの金額だけを出して、その場で払ったとかでない限りは、完全に法定単純承認にあたると思います。
なお、そもそも論から言うと、亡くなった後は単純承認とかではなく引き出しちゃいけないんですけどね。新しい判例でも預金は原則、相続人みんなで分け方を決めてからしか出せない遺産分割の対象ですし。

というわけで、結論は、きれい事になっちゃいますが、相続放棄をする可能性があるのであれば、入院費や葬式代はしんどくてもいったん自分で立て替えていただいた方がよろしいかと思います。
どうしても、被相続人の財産から出したい場合は、家庭裁判所に「相続放棄をするつもりだけど、入院費や葬式代を本人の預金あるいは現金から出して良いか?」と相談したほうがいいでしょう。
さっきの線引きの話ですが、「それくらいなら家庭裁判所が認めるか」ってあいまいな話ですから、司法書士や弁護士だって結論出すのは難しいと思いますし、その結論が正しいとは限りません。

てなわけで、今後もブログは放置しがちになると思いますが、忘れた頃に更新はすると思いますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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