2か月ぶりの更新です。
FaceBookと違って、ブログは後々まで残るので、なかなか書くのに気合いがいるのですが、今日はその気合いが入るまでに1か月ほどかかっちゃいました。
でも、仕事でもそうですよね。
裁判事務などで書いたことのない書面を書く時は、書き始めるまで相当な踏ん切りがいる割に、書き始めると結構指が動くものです。

で、本題なのですが、その踏ん切りをつけなくてはいけないキッカケとなった1か月程前、ある同業者から電話がありました。
「有松さん、市町村合併で町名が変わった場合に、名変登記出す必要があると思いますか?それと根抵当権の追加設定を出す前提で債務者の住所変更を出す必要があると思いますか?」
という質問でした。

この議論は、現在施行されている新不動産登記法の施行後数年後に、我々の間で騒ぎになったもので、簡単に言うとこんな議論でした。
・旧不動産登記法には上記のような地番の変更を伴わない町名変更等の行政区画の変更は登記上も当然に変更されたものとみなされるという規定があった
・しかし、新不動産登記法では、表題登記にはそのようなみなし規定があるが、権利登記にはそのような規定はみあたらない。
・だから、今後は名変が必要になったのではないか?
で、ここからはローカルな話ですが、今まで当然に省けていたものが、法律が変わったから省けなくなるなんて夢にも思わなかったので、一部の勉強熱心な司法書士を除いて、誰もそんなことを考えずに名変省いて申請して通ってましたが、ある日司法書士会の回覧で、省けないことを前提に書いていると思われる文書が流れてきました。
内容はハッキリは記憶してませんが、たしか、「地番の変更を伴わない行政区画の変更の名変登記は登録免許税は非課税になります。みなさんもっと勉強してください!」みたいなお叱りの文章だったと思います。
これ見て、みんなビックリしてですね、「ええ?非課税云々よりもこのパターンで名変いるの?」みたいな感じで、結構この前後で研修会やら討論やら開かれたんじゃないかな。
で、結局結論としては…
・地番の変更を伴わない行政区画の変更による名変登記を申請しなくても、所有権移転や抵当権設定等のその次の段階の登記は受理される。ただし名変登記を出せばそれはそれで受理されるし登録免許税は非課税。
・例えば、住所が移転した後で、最後が行政区画の変更で町名等が変更になった場合は、当然名変は必要で証明書が添付されれば非課税(司法書士会の回覧はこれを言いたかったんだと思います)。
・根抵当権について、債務者に地番の変更を伴わない行政区画の変更による住所の変更があった場合も債務者の変更登記を省略して追加設定も受理される。
となったようです。

理由付けは色々法律的は理屈があるのですが、一応私の単純な頭にパッと染みこみやすい理由付けは、たとえ法律で住所変更が登記されたとみなされなくても、市町村合併のような原因は官報にも公告されているわけだし変更前と変更後が同一住所であることは公知の事実なので、たとえ省いて次段階の登記を入れても中間省略登記のような状態にはならない。逆に法律で変更登記をしたとみなした訳じゃないので、その申請が出ても却下する必要もない。っという感じでしょうか。
私が、そういう風に理解したという意味ですけどね。
で、理由付けではないんですが、その考えで登記が通る根拠として、平成22年11月1日付法務省民二第2759号の通達と登記研究748号47ページがありました。

ところで、今回のその同業者の質問なんですが、なんで今さらこんなケリのついた問題を蒸し返すような質問が出たのかというと、なんでも債務者兼設定者が法人で、根抵当権の追加設定を出したら、法務局から「法人の場合は地番の変更を伴わない行政区画の変更であっても名変や債務者の変更登記を省略できないんじゃないか」と指摘され補正で止められてしまったそうで、補正といっても法務局の言うとおりという結論になったら取下げないといけなくなっちゃうので、受理して良いという根拠がなんかないかという相談だったんですが、通達にしたって登記研究にしたって法人・自然人を区別せずに完全に一般論化した内容でしたから、法人がダメなら「法人はダメ」とか「この通達は自然人に限る」とか書くはずだから、その資料のコピー持たせて法務局に行かせました。
結果としては「県の本庁に問い合わせてみる」と預かられて、即日、法人でも考え方はおんなじということで登記は通ったそうです。
っとまあ、人騒がせな話ではありましたが、ひとつ喉に刺さっていた小骨が取れたような結果となり、良かった良かったというお話しでした


ランキングに登録してますのでバナーを
クリック一発お願いします
    ↓


司法書士 ブログランキングへ

よろしければこちらも一発お願いします
    ↓

士業 ブログランキングへ