前回の更新で、先月・今月に起こった大きな行事のうち、事務所の移転について書きましたが、今日はもう一つの行事について書きたいと思います。

事務所の移転より前の話なんですが、2月21日に、福岡県司法書士会の筑豊支部と北九州支部の初の試みとして、合同で研修会を北九州市小倉北区で開催しました。
研修のテーマはタイトルのとおり「不動産登記訴訟における要件事実と裁判所実務における司法書士の役割」で、講師は、はるばる茨城県より、水戸地方裁判所下妻支部の岡口基一裁判官においでいただきお話しいただきました。
岡口判事は法曹の世界ではかなり有名な先生で、受講した会員より聞くところによると「弁護士は受けられないのか」と言った問い合わせもあったようです。さすがにそれは司法書士の研修予算で開催する研修で私の一存では無理かなと思いましたが…

研修の内容ですが、標記のテーマだけは私の方で決めさせていただき、後は基本的には岡口先生に自由に話していただいたのですが、個々の事案の要件事実というよりは、登記訴訟における法的な考え方を教えていただく内容となりました。
正直、私も含めて「目からウロコ」な会員が多かったと思います。
「法的に物事を考えるというのはこういうことか」と、本当に考えさせられました。
売買の所有権移転であれば、登記権利者は登記義務者に所有権移転登記を求めて訴えることが出来ます。
そりゃ当たり前なんだけど、なぜそれが出来るのか?登記を求める権利なら人に対する権利なので債権なのに、なぜその権利は時効に掛からないのか?
ほとんどの司法書士は「所有権に基づいて求めてるんだから消滅時効はない」で思考が終了するんですが、所有権に基づく権利って返還請求権・妨害排除請求権・妨害予防請求権の3つだから、被担保債権の存在のない抵当権設定登記を妨害排除で抹消請求するとかならともかく、所有権移転登記を求める権利の裏付けとしてはたしかにおかしいですよね。
ましてや、所有権登記名義が変わらないまま更に売られて所有権が移転しても、その中間の買主は登記名義人に自分に移転登記を請求できますが、この場合の中間の買主は現在では所有権者ですらない。
なるほど、法的な思考というのはこういうことを言うんだねと、我々司法書士が法曹になり得ず、まだまだ代書屋の域を脱していないということを実感させられました。
もっとも、簡裁代理権を獲得したとしても、司法試験をパスしてないんですから法曹でないのは当たり前なんですけどね。

とにもかくにも、とても脳味噌を鍛え上げられた本当に「楽しく本物の勉強をした」と言いたくなる研修となりました。
ちなみに、岡口先生、帰り際というか別れ際というか、私が「また、いつかよろしくお願いします」とお願いしたら、「あと3つネタがありますから良いですよ」と快く答えてくださいましたので、また是非来ていただきたいと思います。

 
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