梅雨明け以来、異常に暑い日が続きますね。
「暑い」と言って涼しくなるなら良いですけど、いっこうに涼しくなりませんが、それでもこの夏最大の流行語「暑い」を連呼してしまいます。
こんな暑い中ですけど、先週、福岡県司法書士会、今年度第1回拡大研修部会が開催されました。
このネタを今日のブログでは書こうかと思ったんですが、これはまた後日に回すとして、最近、ちょっと気になることがあるので、そのことを書こうかと思います。

今さらながらの民法ネタではあるのですが、タイトルにしている連帯保証人の責任というものです。

昔、マンガの「ナニワ金融道」で、ある公務員がスナックの若いママに色仕掛けでせがまれて、ママが帝国金融で借りる借金の連帯保証人になり、あっという間にママにはドロンされて、帝国金融の追い込みを受けてカタにはめられるという話があったと思います。
マンガの話はともかく、私の知る範囲でも、「金貸してくれ」と言う人と「迷惑掛けないから形だけ名前貸してくれ」とハンコを頼む人では、後者の方がタチが悪いとか聞きますし、親の遺言で「どんな書類でもハンコだけは押すな」と言われてるとかで、債務完済後の担保抹消の登記の委任状でも異常に躊躇する方に会ったこともあります。
大概こういう時の「ハンコを押す」とか「形だけ名前を貸す」とかいう話は連帯保証人になることを意味するような気がします。

この連帯保証人の恐ろしさというのは、理屈としては社会常識的に知れ渡っていると思いますが、簡単に言ってしまえば、自分はお金を1円だって借りていないのに、お金を貸した人に対して借金の全責任を負うということですよね。
ただ、私個人の感覚としては、連帯保証人の責任というものは、時として実際に借りた人よりも重い負担になると最近感じています。
一応法律上は、債権者は実際に借りた債務者に催促せずにいきなり連帯保証人に請求したり、支払いが滞ったりすれば、いきなり連帯保証人を訴えて財産を差し押さえたりできますが、社会常識的には本来の債務者に催促して、その債務者の支払いが滞らない限りは連帯保証人に請求したりはしないのが、通常だと思います。
ところが、それが曲者で、返済期間が長い借金だったりした場合、返済が遅れたり、滞ったりしなければ、連帯保証人自身が保証債務のことなんか忘れてしまうくらい長い間何の音沙汰もなくて、いざ滞ったり、タチが悪ければ、滞ってさらに長い日にちが経って、その消滅時効の成立する直前になって、もう保証人も覚えていないような債務を請求されるハメになってしまいます。
何十年も前の自分の借りてもいない借金でドーンと請求されて、何十年も前ですから、「もう時効なんじゃないか」と反論してみても、債権者曰く、「いやいや、本来の債務者は2,3年前まで、遅れ遅れでも返済していて、その時点まで時効は進行してないし、その効果は保証債務に及ぶので、あなた返済しないといけません」なんて言われてニッチもサッチもいかなくなるわけです。
ハンコを押す時には「絶対迷惑掛けないから、形だけ保証人(あえて連帯保証人と言わなかったりして)が必要なだけで、名前だけ貸してもらう話だから」なんて言われて、その数ヶ月後とかに火を噴いたなら「あちゃ~!!あの時!!」と思うこともあるでしょうが、そういう何十年も経ってからツケが回ってくると本当にたまらんと思います。
で、そんなことまで想定される借金であるなら、保証人を頼む方は絶対に「迷惑は掛けない」って言いますよね。

私も子供の頃に父に「いいか。大人になって、金貸してくれとかハンコ押してくれとか言うヤツがいたら、どんな仲の良いヤツでも、飯でもおごってやるか、手元の自分のはした金の小遣い銭をくれてやって帰ってもらえ。貸した気持ちで金を渡しても絶対に返ってこないし、ハンコなんか論外」みたいなことを言われた記憶があります(子供の頃の話なので正確に言われたことではありませんが、そんなニュアンスのことでした)。
こんな仕事をし出して、その意味もようやく実感として理解し始めた感じです。

みなさんも、くれぐれも「連帯保証人」というものには気を付けて下さい。
自己責任の話ですから、連帯保証人にはなるなと言うことではなく、「名前を貸すだけ」という気持ちでハンコを押すには、あまりにリスクの大きい立場に置かれることをを理解して欲しいと思う今日この頃です。