不動産登記のオンライン申請で一番神経質になるのが登記原因証明情報です。
オンライン申請では基本的に添付書類は全部データで作って、そのデータを原本としてオンラインシステムを使って送信するのが原則ですが、そんなことしてたら、誰もこのシステムを使わないということで、添付書類は紙で作って後で法務局に届ければ良いが、とりあえず申請だけしといて、後でゆっくり書類作成や、ひどい場合は取引をするようなマネを防止する目的で、登記原因証明情報だけは紙で作ってもスキャナで読み込んでPDFファイルにして、オンラインで送信する事になっています。
どこまで我々司法書士は信用がないんだと思いますが、信用以前にこれが曲者で、一旦オンラインで送った原因証明情報は補正が認められない。
つまり、作ってはいるけど一旦送ったら、それが後から誤字等の間違いがあったら取り下げる機会を与えた上で却下となります。
去年の終わりだったかな?通達とはいえないようですが、全国統一の運用で登記原因や登記事項に影響のない部分であれば、再送信を認めることになりました。
この運用のおかげで、原因証明情報の作成には神経質になりますけど、なんとか取り下げることの出来ない担保設定や売買に使えることになったのかなと思えていました。
ところが最近、不動産登記のオンライン申請の取扱いが厳しくなりました。
いやいや、そういう通達が来たとかじゃありませんよ。
何かその運用でトラブルでもあったのかも知れません。
とにかく、補正は認めるけど、再送信のために登記原因証明情報の原本を一旦返すようなことはしないというのです。
つまり、原因証明情報を差し替えるか、申請を取り下げなさいというわけです。
おかげで、私も1件申請と取り下げました。
ガックリは来ましたが、この運用の是非は私にはわかりません。
ただ、制度として、この登記原因証明情報の補正を原則させない、却下か取下げというのは問題を感じます。
我々司法書士も人間ですから、どんなに注意したってミスをすることはあります。
しかし、たとえミスをしても依頼者に迷惑が掛からないように最善の措置を我々司法書士はしているはずです。
そもそも、この難しい登記手続をすることは登記知識のない人間には極めて困難だから我々司法書士や土地家屋調査士がいて、手続をしているわけですが、その手続を適正にするために、登記では添付書類が法定されていたり、司法書士には本人確認・意思確認の義務が課せられていると思います。
一応とは言え、そういう手続の段取りを経て出された書類が、重要な部分であったとしても1文字誤字があるから却下です。
そして、誤字があるとわかると言うことはその書類と調査に必要な書類を見れば正しい内容もわかるわけです。
大きな取引で、司法書士が関わっていれば間違いなく申請が出た段階で、既に大金が動いた後です。
正直、私はこれは不合理に思います。
最初の方にも書きましたが、国が本人申請もあるし、そもそも司法書士も信用できないのであれば、不正な申請を防止するためオンライン申請での原因証明情報のPDF送信はやむを得ないかも知れません。
ただ、これに補正を認めないというのは、明らかに国民が財産の取引をする安心感を害するし、たとえ登録免許税の減税があったとしてもオンライン申請の普及は進まないと思います。
だって、安心して出せないんですもん。