去る9月1日熊本県荒尾市のウルトラマンランドが閉園しましたね。
特撮ヒーロー大好きの私としては一度行ってみたかったのですが、17年間結局行かないまま閉園を迎えてしまいました。
「いつでも行ける」は「一生行けない」の典型のような出来事でした。
そういえば、私が高校時代に出来た福岡タワーも「いつでも行ける」と思って一度も行ってませんね。
これを機会に福岡タワーだけでも近々行動に移したいものです。

さて、少し面白い事案がありましたので、久々に覚書に残しておきたいと思います。
土地の売買に関する登記で、状況は次のとおりでした。

・登記名義人は既に死亡し、相続人があることが明らかでない状態(いわゆる相続人不存在)で、既に相続財産管理人が選任されており、当該物件は相続財産法人名義に表示変更登記も経ている。
・自筆証書遺言(検認済)が存在し、これによると、当該物件については、売却し、その売却代金をある団体に寄付したいとのこと。
・遺言には遺言執行者も指定もある。
相談の内容は相続財産管理人が関与せずに(つまり権限外行為許可もとらずに)売却し所有権移転登記ができないかと言うことでした。

ちなみに、財産管理人と遺言執行者との折り合いが悪いから財産管理人を排除したいとかではなく、取引ギリギリまで買主が決まらないことが予想される事案で、それが決まってから権限外行為許可を取ったのではさらに時間が掛かるし、そこからまた二転三転する可能性もあると言うことで、実際には財産管理人と遺言執行者はしっかり連絡を取り合って業務を進めているようでした。

正直、遺贈であれば遺言執行者も選任されているし、自筆証書遺言の形式や書き方に問題がなければ、あまり頭を悩ますこともなかったのですが、今回は売却と言うことでかなり悩みました。
大前提として、遺言で相続財産を処分について書くことは法律上可能です(最たるものが遺贈ですが)から、売却してその売却代金の処理を指定することも清算遺言というやつでこれも可能です。
実際にこれを登記でやるとすれば、ちょっとおかしなことになります。
遺贈は相続開始の瞬間に効力を生じますから、いきなり遺言執行者から申請して遺贈の登記が可能ですが、売却の場合は相続開始の後の日時に売却するわけですから、相続人がいれば法定相続分による相続登記が必要ですし、今回のような相続人不存在ならば相続財産法人名義に表示変更登記が必要です。
ここまでは良いんですが、問題は今回は相続財産管理人も既に選任されていて、その管理財産の中に入っているということでした。
多少は調べてみると、遺言執行者が直接売却できるような先例(昭和52年2月5日民三第773号民事局第三課長回答)や質疑応答(登記研究619号)がありましたし、当時事務所に来ていた配属研修生からも「先生、できると思いますよ」と言ってくれたりしたんですが、自分の中でどうも釈然としないんです。
「これらの先例や質疑応答の事例は、そもそも相続財産管理人は選任されていないから、今回の事案には当てはまらないのではないか?一旦相続財産管理人が選任された以上は、相続財産の清算の過程の中で、遺言を執行していけばいいわけだし(事実、清算の順序として遺贈は相続債務の清算の後という規定もある)、そうなら、相続財産法人に帰属する財産を売却するのは遺言執行者じゃなく実際に管理している相続財産管理人だから、そうであれば財産管理人は管理権限しか持っていない以上、権限外行為許可がいるのじゃないか?」なんてことを考えたりしました。

で、まあ、自分では自信を持った結論は出せなかったので、管轄法務局へ文書で相談してみたところ、やはり同じようなところで意見が分かれたそうですが、結果としては遺言執行者からの申請で足りる(もちろん権限外行為許可なし)と言う結論になりました。
ただし、相続財産の清算の点から問題がないか担当する家庭裁判所とも協議して欲しいということで、遺言執行者と相続財産管理人から、裁判所に確認してもらったところ、相続債務の清算が完了しているのであれば、そして許可がなくても登記ができるのであれば実行しても良いとの回答だったそうです。回答の感じからすると、やはり遺言での相続財産の処分ということで遺贈と同視しているようですね。

で、まあ登記は完了したわけですが、無事に完了したので「少し面白い事案」と言うことができましたが、結局ダメだったら顔面蒼白でしたでしょうね。

っというわけで、例のごとく、これはブログという媒体を使った私個人の覚書ですので、公式な文献でも何でもありませんので、同じようなことをやってみてうまくいかなくても、私の方では一切責任は負いかねますのであしからず。