2012年 3月の記事一覧

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12年03月28日 16時43分09秒
Posted by: arimatsu
ようやく暖かくなってきましたね。
年度末ということもあり、最近研修部の仕事が忙しかったです。
前回の更新でも取り上げた業務研修会での講師担当もありましたし、先週は旧直方地区での会員の懇親事業でのゲスト出演(そういって良いのかどうかわかりませんが、講師っていうほど大層なことをしたわけでもないので、おもしろい言い回しにしてみました)なんてのもありました。

そして、今週です。
今年度の研修部最後の事業になる、第8回勉強会を筑豊支部事務局で開催しました。
今回の研修テーマはタイトルにもあるように賃貸借契約にまつわる判例等の紹介です。
ザラッと言ってしまうと主に敷金の返還に関する研修と言っても良いと思います。
一時期、簡裁代理権を持つ司法書士の間でもこれは結構ビジネスとして盛り上がっていました。

アパート等の賃貸で退去時の問題ですよね。物件を普通に使っていて生じた傷み(自然損耗とか通常損耗とか言うみたいです)の補修費用は当然家賃に含まれているから敷金から引けないという判例が今まで多数あったので、敷金返してくれない大家さんには請求や訴訟をしていたらしいです。
そんな状況もあり、大家さん側も色々知恵を絞って、よその地域ではわかりませんが、この辺ではよく賃貸借契約書に「敷金は返しません」みたいな内容の特約(いわゆる「敷引特約」)をうたったりしていましたが、訴訟まで行ってしまうとあまり効果はないようでした。
たしかに、不動産の売買の立会なんかをしていた時、仲介の不動産屋さんからそういう悔やみ事を聞いた記憶が何度かあります。

これが、最近新しい判例が出て動きがあったと研修部の会議の中で話題になりまして、それならということで、消費者問題に詳しい先生に来ていただき講義していただきました。
かなり驚きの内容でした。

これまたザラッと言ってしまうと、去年2つ最高裁判例が出て、1つ目は敷引特約は、それがあることで、自然損耗の補修分は家賃に含まれていないことと、それを敷金から充てることを契約の中で明確にしてあれば(単に契約書に書いているということじゃなくて、キチンと説明しているかというのもポイントになるみたいです)、その敷引額や家賃が相場と照らし合わせて不当なものでなければ有効(消費者契約法に抵触しない)だというもの。2つ目は単に敷引特約があれば普通そういう意味だと言うことで、金額が不当でなければ有効だというもの。因みにどちらも不当な額であるなら、不当な部分だけ返還すれば良いという結論みたいです。

私、思わず研修終了時の挨拶で言ってしまったのですが、借主側から見ればかなりテンションの下がるご説明でした。
公の席に行くと、なんとなく「司法書士は弱い者(消費者)の味方」みたいな雰囲気があるので、ついそんな言葉が出ちゃいましたが、しかし、考えてみれば、大家さんだって別に強い権力を持っているわけではなく、一般市民の大家さんが大半でしょう。
古い建物なんかをお持ちになっている方なんかは、高齢の方も多いでしょうし、その上、高い家賃も取れないので、少ない家賃でなんとか生活して、傷んだら敷金使って補修している方もたくさんいると思うんですよね。それが別に不自然とも感じません。「家賃上げさせてくれ」と言ったって、今のご時世早々借主も応じてはくれませんしね。
まあ、そんな状況で退去時に「自然損耗は家賃でペイしているはずだから敷金返せ」というのも大家さんの側からすれば酷かも知れませんね。
そう考えれば、テンションが下がるどころか「朗報」の部類に入るのかも知れません。
まあ、司法書士のビジネスチャンスとしては1つコマが減るような事かも知れませんが、仕方のないことです。
本当にこの敷金というものは、貸主と借主と二極に分かれるので、どの立場で見るかによって180°見方が変わる問題で本当に奥の深い問題だと感じました。

で、本年度の研修事業もこの勉強会で終わりましたが、私の研修部長の任期はまだ1年残っています。
これから総会の準備、次年度の研修のテーマの検討とまだまだ頭を抱えることは山積みのようです。
また1年、筑豊支部研修部をよろしくお願いします。

もっとも今まで、重任重任で、もう何期やったのかもわからなくなるくらい続けていますから、本当に私が企画に携わる研修が1年で終わるか怪しいものですが…
12年03月16日 17時23分58秒
Posted by: arimatsu
多忙を極めた今週もようやく終わりますね。
普段、筑豊支部の公務ばかりしててんてこ舞いですが、たまにここに仕事の多忙が重なるとかなりパニクりますね。
本当は逆でパニクるべきだと思うのですが、そこがうまくいかないのが世の中です。

そんなことはともかく、もう1週間前になりますが、本年度第2回の業務研修会が田川で開催されました。
例年2回目の業務研修会はテーマ1つの2時間の研修で実施していましたが、今回はテーマ2つの3時間の研修で実施してみました。

1つめのテーマは倫理研修ということで懲戒をテーマにしたDVD研修です。
私はこのDVD研修の生講義を受講していなかったので結構新鮮な感覚で見ることが出来ました。
倫理という言葉は難しいですが、簡単に言えば司法書士として「こんな事はしちゃいけないよ」とか「こんな事をすると(悪気がなくても)懲戒処分を受けるよ」ということを勉強するわけです。
司法書士というのは結構強い権限を持っている職業ですが、権利の裏返しとして厳しい責任を負っているわけですから、高い倫理観を持ちましょうというわけです。
ですから倫理と言ってもあくまで職業倫理ですので、人としての云々といった「道徳」とは性質の異なるものです。
しかし、この手の研修を受けると、いつも「どこまでが本音でどこまでが建前なんだろう」と疑問に感じます。
私は自分ではそこそこ、倫理に反しないように行動しているつもりなんですが、してない方も多分結構いらっしゃると思うんです。
例えば、登記で本人確認や意思確認が困難な事案にあたって、やむを得ず依頼をお断りするとします。
でも、自分の手から離れた後でその登記が終わってたりすることも時々見受けます。
また、具体的にどんなことかは書きませんが、司法書士として断らなければいけないような要求をお客さんとかからされたとします。断るわけですけど、そうすると他の司法書士なら当たり前のように応じるのに変わった人だな…みたいな顔をされたりします。
結局お客さんの立場からするとそうなのでしょう。
もちろん、そういうことが明るみに出れば懲戒処分を受けるわけですが、ハッキリ言ってしまえば飲酒運転が全部検挙されてるのかというのと同じレベルで、そんなものは氷山の一角だと思うのです。
話がおかしな方向に行ってますけど、こういう倫理に関する研修を受けて思うのは、そういう倫理意識を高く持って行動する人がバカを見ない世の中になって欲しいなということです。

で、2つめのテーマなんですが「遺産分割・遺言と登記」というテーマで不肖私が講師を担当させていただきました。
この研修は去年の10月に私が名古屋で受けた研修を支部に持ち帰る伝達研修という形をとっております。
ですから、私の研究成果とか実体験に基づいた内容ではないので、いまいち面白味に欠けた研修だったかも知れません。
ただただ、今後の筑豊支部内部での講師養成の呼び水になればと思って担当させていただきました。
毎度思うのですが自分の担当する研修って恐いですよね。
なんと言いますか、自分のしゃべっていることが本当に受講した皆さんの役に立っているかどうか、自分じゃわからないんですよね。
なかなか反響と行っても自分の耳に入ってこないですし、たまに「良かったよ」とか言ってくれる方もいらっしゃいますが、お世辞なんじゃないかとか思ったりして…
ただ、私の立場としては、たくさんの方にふるって講師を引き受けていただきたいという立場ですので、私には何も言わなくて結構ですから、私以外の方が講師になる時には受講した方はよっぽどひどい内容の研修にならない限り講師の先生を賞賛していただきたいと思います。
万が一、そのよっぽどひどい研修だった場合には、それは企画の問題ですので講師ではなく我々研修部の方にお叱りをいただきたいと思います。
ちなみに、私が担当した研修は別としても、今まで筑豊支部でやった研修でその「よっぽどひどい」にあたる研修は一つもないと私は思っております。
みんな素晴らしい先生が素晴らしいレジュメを用意して、一所懸命お話しして下さった研修ばかりです。
12年03月11日 12時23分45秒
Posted by: arimatsu
先週末、筑豊支部の平成23年度第2回の業務研修会を開催いたしました。
今回は私も講師を担当しました。
近いうちにこの件についても書きたいと思います。

さて、最近タイトルのような登記の依頼がありまして、ちょっと四苦八苦しましたので、覚書としてブログに残しておきたいと思います。
去年、既存の(根)抵当権に三条目録だけを追加する変更をブログに書きましたが、その時にも調べていましたので、その結果として確実にわかっていることは、今回の登記は機械を備え付ける物件(工場)の所有者の単独申請であること。そして(根)抵当権者の同意書が必要であることでした。
まあ、書式精義にも記載がありますので申請書の概略はわかりました。

さて、問題は登記原因証明情報が必要かどうかです。
工場に機械を追加するということは申請人が自分でする事実行為ですし、工場に機械器具を追加すれば当然にその機械に工場抵当の効力が及ぶので申請すること自体が登記原因を証明しているような気が私はしました。
この点については法務局とも打合せをしましたが、登記官の中でも意見が分かれたようですが、一応結論としては保存登記のように添付を不要とする規定もないと思われるので、申請人単独の報告書形式で結構なので添付して欲しいとのことでした。

「原因となる法律行為又は事実」の内容としては日付を特定して対象の物件(工場)に目録記載のとおりの機械器具を備え付けたことと、(根)抵当権者から本件の登記をする同意を得たことを記載しました。
ちなみに登記原因の「年月日備付」の日付ですが、機械を備え付けた時点で工場抵当の効力は当然に及ぶことと、同意は登記の同意に過ぎないので、同意の日付ではなく備付の日付としました。

まあ、大体これくらいで登記はとおったのですか、ひとつ補正がありました。
この登記は法務局の中では既存と追加の三条目録を合綴して割り印するだけですので、コンピューターの登記簿を触りません。
それで、登記完了証も出ないので、申請書副本(そういう呼び方が適切かどうかはわかりませんが)を添付して登記済証を作成する必要があるとのことでした。

さてさて、例のごとく、この書き込みは私の覚書ですので、間違っていても、他の法務局で取扱いが異なっていても私の方では責任は持ちかねますのであしからず。
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