2009年 9月の記事一覧

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09年09月26日 13時23分15秒
Posted by: arimatsu
司法書士のもっともオーソドックスな仕事の一つに不動産の相続登記があります。
人は通常財産を持っています。
日本の法律では、財産を持つ(所有)することは「人」しかできません。
人には自然人と法人がありますが、それは別の機会に書くとして、この「人」が死んでしまうと、生きていない人は法律上の人ではなくなりますから、死んだ瞬間に別の生きている人に財産が引き継がれることになります。これが「相続」というやつです。

ここまでは前置きでして、この相続の手続を「名義」という概念のある財産に関して行うには、財産を引き継ぐ権利のある人(相続人)が誰かを証明するために、戸籍という書類を集める必要があります。

相続人と相続分については義務教育でも亡くなった人(被相続人)の配偶者(妻や夫)が半分、残り半分を子供が頭割りで相続するくらいは習ったと思います。
これを戸籍で証明しようとすれば、まず被相続人の死んだ時の戸籍謄本(配偶者が健在な場合には配偶者の戸籍謄本を兼ねられます)、そして相続人は死んだ瞬間に生きている人である必要がありますから配偶者や子供達の現在の戸籍謄本が必要です。
しかしこれだけでは足りません。
死んだことと、配偶者であること或いは子供であること、そしてその方々が生きていることの他に、被相続人には他には子供がいないことを証明しないといけません。つまり被相続人が生まれてから無くなるまでの全ての戸籍が必要になるわけです。
「戸籍謄本に全部書いてるんじゃないの?」と思われるかも知れませんが、じつは戸籍謄本というのはその戸籍が作られた当時に同じ戸籍に入るべき人しか書かれていません。

どういう事かというと、現在のほとんどの地域の戸籍は平成10年代にコンピュータ化された戸籍です。例えば奥さんがいて、子供が3人で内1人は平成元年に結婚していたとして戸籍がコンピュータ化されたのが平成15年だとすると、平成15年の段階では結婚した子はすでに親の戸籍からは外れていて、コンピュータになる時には親の戸籍にはまったく書かれていないことになります。つまりコンピュータになる前の「改製原戸籍謄本」が必要になります。
さらに、奥さんがいると言うことは、結婚した時に夫婦新しい戸籍が作られたはずですから、結婚する前の親御さんの除籍なり改製原戸籍謄本が必要になり、そしてまたさらにコンピュータ化になる前の改製原戸籍は大体昭和35年頃から使われ始めた様式である事が多くて、またその前の改製原戸籍が必要になってきたりします。
この様にして、被相続人の人生を戸籍という観点から遡って調べるわけです。

ちなみに、子供さんがいなくて亡くなった場合は、親御さんや祖父母が相続することになりますが、上の代は大体本人より先に亡くなっているでしょうから、その次は兄弟です。
この場合は、今言った子供さんがいない事を証明する範囲で戸籍を全て調べて、親御さんや祖父母が、本人より先に死に絶えている戸籍を調べ、さらに全ての兄弟が確認できるようにご両親の戸籍を遡って調べることになります。

気が遠くなりそうですね。ここまで来てしまうとちょっとした興信所の探偵気分で調べないといけません。
また、複雑な相続関係だと、相続人の一人である依頼者にも全ての相続人を把握している訳じゃない場合もあり、その場合は今言った遡る作業の他に、遡っている過程で発見した子供さん達の現在の生きている戸籍謄本を探す「下向き」の作業も入ります。

この様な作業をして、初めて相続人が誰か特定できるわけで、ここから相続人同士に財産をどう分けるか話し合ってもらうわけですから、相続手続というもの大変で後回しにしがちですけど、本当は早め早めにやっておかないと時としてもっと大変なことになるということでしょうかね。

自分で書いていて気が遠くなりました。
09年09月22日 17時34分44秒
Posted by: arimatsu
先日、九州国立博物館で開催されている「国宝阿修羅展」を見に行ってきました。
前回の「チベット・ポタラ宮の至宝展」から3ヶ月ぶりです。時間が経つのは早いですね。
実はこの日は夜に久留米で用事があり、その為だけに行くのはもったいないので、少し早めに出て、寄り道をしてみようというわけでした。
でも、噂では相当な混雑で会場に入るだけで3時間かかるなんて話も聞いていたので、事前にHPなどを調べてみると、携帯で現在の混雑状況が確認できるとのこと、そして、閉館の近い遅い時間の方が混雑は少ないということがわかりました。
私にとっては、どのみち久留米に行くのは夜ですから、夕方の方が都合が良いわけです。
実際に行ってみたら、待ち時間は20分ほどで、行列は館内で収まっていましたし、人の流れは止まらなかったのでかなり見やすかったと思います。
もちろん、阿修羅像の回りはすごい人だかりでしたが、観客は係員の仕切りで30秒ごとに15歩ずつクルクル回りながら見ることでうまく循環して私も全身360°頭から足まで見ることができました。
今はハイビジョンなどテレビの映像技術がすごいので、生で見ても基本的に映像で見るのと一緒ですけど、それでも現物を直接見ると一層人間臭くてなんだか寂しそうだなと感じました。
展示品は阿修羅像だけでなく、八武衆や十大弟子、四天王など興福寺のその他の仏像もたくさんあって、展示品のボリュームもなかなかのものでした。

ちょっと話が変わりますが、阿修羅像を見終わって太宰府を後にして次の久留米に向かおうとした時に携帯が鳴りました。
誰かと思ったら、今は関東の方に暮らしている小学校の時の同級生2人でした。
今、埼玉で二人で飲んでいるとのことでした。
何かで私の話になったのでしょう「ちょっとふとっさんに電話してみようぜ!」みたいなノリで掛けてきたみたいです。
開口一番「もしもし。僕が誰だかわかりますか?」とか言ってましたが、2年前の同窓会の時に番号メモリに入れてましたから一目瞭然でした。
まあ、しかし遠い地から私のことを思い出してくれる人達がいると思うと、ちょっと小さな感動を覚えた夕暮れ時でした。
09年09月17日 17時19分44秒
Posted by: arimatsu
鋼鉄の一週間が続いている今日この頃です。
特に出費の方で頭が痛いなと思っていたのですが、悪い時には悪いことが重なるもので一昨日コピー機のトナーが切れてしまいました。
この時期にトナー代は痛かったです。
「弱り目に祟り目」といったところでしょうか。
ところで、最近司法書士業界では、登記識別情報通知書の目隠しシールが話題になっているようです。
登記識別情報とは、一般の方々が不動産の「権利証」と呼ぶ登記済証という書類を廃止して、オンライン申請でキーボードを打ち込むことによって権利証の提出に代えるようにしようと発案され制度化した英数字12桁のパスワードで、登記識別情報通知書というのは文字どおり、このパスワードを法務局が印刷して本人に交付する書類です。
この通知書は発行時にパスワードが法務局の職員の目にさえ見えないようにパスワードの印刷面に機械で自動的に目隠しシールを貼り付けて本人に交付されますが、最近この目隠しシールを剥がす時に印刷面ごと破れる事象があるそうです。
取引の際にそんなことが起こること自体がそら恐ろしいですが、どうやら事実であるらしく、法務省からも対処法が司法書士・土地家屋調査士業界に知らされたそうです。
その対処法がさらに恐ろしい内容で、簡単に言うと、薄布を当ててアイロンで暖めたらキレイに剥がれるそうです。
そして、原則としては、通知を受けた段階で目隠しを剥いで保管しろだそうです。
まあ、アイロン云々は論外ですが、先に目隠しシールを剥げというのはとんでもない話で、新不動産登記法を制定する時に国会中継を見ていましたが、民主党の質問に対して法務省の官僚が目隠しシールは剥がさずに保管しろと言ってましたよ。それに対して民主党が、「目隠しシールの貼り付けた書類を交付したら、普通剥がしたくなるのが当たり前でしょうが」と突っ込んでました。
粗悪品を出しちゃったから法の趣旨を180度転換しちゃうのはどうかと思いますね。登記識別情報は施行当時から文句の多い制度ですから、廃止する気がないのならもう少し突っ込まれないような運用をして欲しいですよね。
ちなみに私は、今まで登記識別情報通知書をシール剥ぐ時に破ったことはないですね。ただ、危なかったことはありました。
どうも私の感じとしては、目隠しシールのやや上から法務省の「MOJ」という刻印が打ち込まれてるんですが、そこから破れそうになるような気がします。やばいと感じた時には無理にそこからは剥がさずに、下の方からゆっくり剥がれやすいところを先に剥いで、剥いだ部分全体で刻印部分を引っ張るように剥がして、今のところしのいでいます。
しかし、事務所は取引の現場にアイロン持って行くわけにはいかないですもんね。アイロンの方がかえってヤバイという説もあるようですし…
09年09月14日 16時33分00秒
Posted by: arimatsu
今日のブログはちょっと趣が違います。
実は今日から19日の土曜日まで、アフター5のスケジュールが全部埋まってしまいました。
どんな用事かというのは色々あるので書けませんが、公務もあれば付き合い事もあります。
私の時間・体力・お財布がどこまで持つのかとても不安ですが、逃げられないことならがんばるしかありませんので、この一週間を「鋼鉄の一週間」と命名してみることにしました。
この一週間を乗り切った時に、自分が鋼鉄のような男(色んな意味で)になっていることを期待しましょう。

堅い話ばかりじゃなくて、こんな話もたまには良いでしょう。
鋼鉄の話ですしヾ(☆▽☆)
09年09月10日 18時25分46秒
Posted by: arimatsu
司法書士がよく引き受ける仕事の中で家庭裁判所が選任する財産管理人の仕事があります。
私も、今、不在者財産管理人と相続財産管理人になっている案件があります。
どこの地域も同じなのかどうかはわかりませんが、私の地域では毎年8月末締めで9月に管理状況を家庭裁判所に報告しないといけないことになっているので、今週、これらの管理報告書を作って提出しました。
この仕事は難しくはありませんがめんどくさいです。
特に財産が不動産だけの場合は面倒です。
例えば不在者財産管理人の場合の管理報告書としては財産目録を作って通帳の記帳をし(っと言っても不動産だけですから、この不動産が売却等で処分できた時の振込口座として開設費用として最低限の額だけ入金しています)、不在者の戸籍の附票を取り寄せて提出です。
財産が不動産だけだと戸籍の附票の取り寄せの費用も立て替えるしかありません。
大した額ではありませんし、大きな労力でもありませんが、やはり自腹を切って仕事をして儲けがないというのはなんとなく釈然としませんよね。
裁判所の絡む仕事というのは、簡単な仕事でもそれなりの情報収集の引き受ける際の覚悟がいるということでしょうか。
09年09月04日 15時25分55秒
Posted by: arimatsu
昨日、筑豊支部の9月度の勉強会が開催されました。
テーマは「成年後見の基礎」
成年後見と言えば、社団法人リーガルサポートがありますが、別にリーガルの社員さんだけが知識があればいいわけではなく、司法書士である以上は家庭裁判所へ提出する書類作成が業務としてあるわけですから、依頼されれば正当理由がなければ申立書は書かないといけないわけですし、相談されれば適切なアドバイスができるくらいのスキルは持っていないといけないわけですから、成年後見に関する勉強会を年に1度は開催しています(別に申し合わせがあるわけではないので、結果的にということなんですけどね)。
今回は、原点に返って、成年後見制度を一通りザッとさらう感じの研修となりました。
しかし、私個人的にはやはり勉強不足なのでしょう。講義を聴いていて、初めて知ることが多く、レジュメのメモ書きをかなり多くしていました。不勉強を恥じるばかりです。
成年後見については、リーガルに入っていなければ研修する機会も少ないですし、やはり会員には意識的に研修する機会を提供しないといけないジャンルだと思いました。
私自身も、今は時間を作れないので躊躇していますが、近い将来リーガルには入るべきだろうと感じました。
筑豊支部の研修部員はリーガルの関係者も多いですし、頼りない私の元で本当にかんばってくださいますので、どこかでご恩返しをしたいものです。
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